「2024年問題」 宮下青森県知事、長距離輸送など「地域の実情に応じた」特例措置要望へ 

県物価高騰緊急対策本部会議で指示を出す宮下知事

 トラック運転手の残業規制強化に伴う「2024年問題」を巡り、県は9日、首都圏から遠い青森県は長距離輸送などで影響が大きいことから、国に対して地域の実情に応じた特例措置を要望する方針を明らかにした。宮下宗一郎知事は13日に厚生労働省などを訪問し要望活動を行う予定で、9日に県庁で開かれた県物価高騰緊急対策本部会議では「国に対してわれわれの特殊性を理解していただくことが大事になる」と話した。

 会議では、青森県から東京都への運行事例を報告。県のまとめによると、県内からの輸送では往路所要時間が15~16時間かかる事例があり、1日当たりの最大拘束時間を15時間とする法改正後は、これまで通りの運行が困難になる。さらに、ドライバーの拘束時間削減は、賃金低下や青森県産業へのマイナス影響につながるとの懸念が示された。

 宮下知事は、経済産業省と内閣官房が公表している「地域経済分析システム(RESAS=リーサス)」の国内移動時間の分析結果を基に、「(本県から首都圏へは)移動するだけでも10時間かかる」と指摘。「(24年問題は)トラック業界、物流だけではなく、本県の産業そのものの問題として捉え、理解促進と対策に取り組んでいきたい」と述べた。

 このほか宮下知事は物価高対策として、支援策の情報発信や、各業界団体へのヒアリングを継続することなどを各部署に指示した。

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