都がスタートアップ支援団体にヒアリング 現場に精通した職員の育成を…

来年度の予算編成を前に、東京都はスタートアップ企業の支援を行う団体からヒアリングを行いました。団体からは現場に精通した職員の育成を求める声があがりました。

11月9日、スタートアップ企業の支援団体から行われたヒアリング。そこで出たのが…

スタートアップスタジオ協会 代表者:「スタートアップ新事業者と有識者、それぞれ意見を鵜呑みにしてしまって、てんでばらばらな施策となってしまって、それの繋がりによって相乗効果が見えない状況になっていると考えている。職員の中の特に現場の中に精通した人材を育成していくことが重要ではないかと考えている」

これに対し小池知事は、必要な人材の育成方法を考えていきたいと話します。

小池知事:「スタートアップが活躍しやすくなるようなエコシステムづくりのために、どういう人材が都として必要なのか、育成の仕方がどうなのか考えていきたい」

東京都は去年、スタートアップ企業との協力事業を5年で10倍にするという目標を掲げていて、企業と支援者などが情報交換できる拠点を11月にプレオープンさせます。

ヒアリングでは支援団体から、都はスタートアップに様々な補助をしているが、分かりづらいので一覧にしてほしいなどの意見もでました。小池知事は様々出た意見に、「いつでもアイデアを相談できる環境を整えていきたい」と今後の方針を述べました。

スタートアップ支援の取り組みを行っているのは、東京都だけではありません。支援に力を入れる自治体の一つが渋谷区です。駅周辺に2千を超えるスタートアップ企業の拠点がある渋谷区ですが、これまで国際的な成功を収める企業はありません。こうした中で今年3月、区は企業と協力してスタートアップ企業の支援会社を設立するなど、未来の世界的企業を渋谷で誕生させるべく本格的に動き出しています。

そんな渋谷区は、大きく3つのテーマで支援の取り組みを行っています。1つ目が環境整備です。これは、銀行開設や資金調達など企業を運営するための環境整備を支援するもので、現在「みずほ銀行」や「りそな銀行」がこの取り組みに協力しているということです。

続いて2つ目が国際力の強化です。海外の優秀な人材を呼び込むため、起業したい外国人が1年間、日本で準備活動ができる経済産業省のスタートアップビザの制度を活用しています。これにより現在、区内の40社で外国人が起業に向けて活動しているということです。

そして3つ目が実証実験への協力です。これは企業が作ったアプリやサービスで実証実験を行い、良いものはそのまま区で活用できるものです。これまで3年間に80社が実証実験の実施企業に選ばれ、その内6社は現在も区内でサービスが活用されているということです。実際にこの取り組みがきっかけで、区立の保育園ではオムツのサブスクのサービスが始まったそうです。

また渋谷区以外でもスタートアップへの支援は行われていて、墨田区では10月29日に、スタートアップと区内の学生起業家を支援し、ものづくり企業との交流を生み出す拠点として、「スミダ・イノベーション・コア」略してSICを開設しています。

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