中央区 公園の敷地に1.6億円の“TOKYO” 選手村跡地に「モニュメント」疑問の声も

晴海地区の選手村跡地に東京都が設置予定のモニュメントが今、注目されています。設置の目的と多額の設置費用に一部住民から疑問の声が上がっています。

選手村跡地にある中央区の「晴海ふ頭公園」。地域住民の憩いの場である公園に建設中建造物が今、物議を醸しています。「TOKYO」の文字がかたどられた横幅10メートル、奥行き6.8メートル、高さ3.5メートルの巨大モニュメント。文字の形をしたものとしては国内最大級で、その建設費用は総額で1億6千万円です。

都の担当者は設置の意図について、「臨海部のさらなる賑わいと魅力向上を図るために、東京港のシンボリックな存在となる新たなモニュメントを作りたかった」と話します。この計画に対し公園を利用する人は…

「1.6(億)?モニュメントでちょっとかかりすぎですよね。ここは近隣住民の公園ですからね、今まで通りでいいかと思うんですけどね」「確かに外国の方増えてるんで、そういった宣伝にはいいんじゃないかなと思ってます。もうちょっと安かったらよかったんじゃないかな」

さらに周辺住民など499人に行ったアンケートでは、8割以上の人が反対という結果となり、中には「税金の無駄遣い」「観光客によって夜間公園が荒らされる」という意見が。

東京都の担当者は、公的なアンケートでないものにお答えすることはできないとした上で「都に頂いた意見に対しては、真摯に対応した上でご理解いただくように務めている」と話しています。

反対の声が多く上がっているモニュメントの建設ですが、改めてモニュメントが設置される場所と費用について見ていきます。

設置されるのは、東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地にある、中央区の晴海ふ頭公園のこのあたりになります。設置費用は約1億6000万円で、その内訳として、国内最大級の大きさとなる文字が4400万円。そして、モニュメントを照らすための照明・配線が2600万円。さらに、モニュメントの裏側に設置される、ベンチとしても使用できる、階段や基礎などの費用が、9000万円となっていて、合わせて1億6000万円になるということです。

安部記者:「階段などの設置理由について東京都の担当者に伺ったところ、地域の方がジョギングなどする際休憩する時に腰掛けたり、港を高い所から眺めたりと「いこいの場」にしたいとのことでした。高額であることも地域住民のため止むを得ないと言った感じでした。

設置場所についても、住宅街にある公園内で、観光地という場所ではありませんが。

安部記者:「公園の目の前には、約1万2000人が入居予定の晴海フラッグがあります。観光地ではなく、地域の公園という感じです。都の担当者も「インバウンド需要も期待しているが、観光がメインではない」と言っていて、オーバーツーリズムなどは想定していない感じでした。国内最大級の大きさとなるモニュメントで、レインボーブリッジも望める絶好の東京観光撮影スポットになりますので、地域住民に影響が出ない対策も求められると思います」

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