「料理を通して愛を届けたい」看板はさっぱりチキン南蛮 だし骨の肉をほぐして煮たカレーも人気

[胃心地いいね](751)おかあさんの店PONO 糸満市糸満989-83 糸満市場いとま~る内

 食で幸せを届けようと、ハワイ語で「本来の自然のあるべき状態、調和・バランスのとれた状態」を意味する言葉「PONO(ポノ)」を店名に取り入れた。糸満市糸満の「糸満市場いとま~る」内の一角に店はあり、野菜炒めやカレーなどの家庭料理が並ぶ。

 店主の西平仁奈さん(40)は「お母さんが作ってくれる、素朴だけど愛がこもった料理をイメージしている。炒め物やみそ汁を作る際には塩こうじやしょうゆこうじなどの発酵調味料を使うなど、健康面にも配慮している」。食を通して社会貢献したいと昨年2月に店をオープンし、スタッフ2人で切り盛りする。

 看板のチキン南蛮定食(税込み950円)は油で揚げず、片栗粉を絡めた鳥もも肉を焼いてさっぱり仕上げる。ポノカレー(大は同700円)はだし骨の肉をほぐしてタマネギやニンジンと煮込んでおり、人気だ。

 非行や生活上の問題を抱えた児童の自立支援にも取り組む。5月には知人のネイリストと自立支援団体「minpi(ミンピ)」を立ち上げた。「非行に走る子は食生活に問題を抱えている」と考え、バランスの取れた食事が非行防止につながると指摘する。

 母は経済的に厳しくても、手作りの料理を振る舞ってくれた。「家族からたくさんの愛情を注がれ育ってきた。だから、私も食を通して誰かに愛を届けたい」と語る。

 日曜日には少年少女を集め、自分で買い物をして食べ物を作る体験学習もしている。今後は週に1日、糸満市役所で弁当を販売する予定だ。

 西平さんは「市外の人や観光客にもっと市場へ来てもらい、にぎわいのある場にしたい。市場の商店主と協力してイベントを仕掛けていきたい」と意気込んだ。(南部報道部・国吉聡志)=金曜日掲載

 【お店データ】午前10時~午後4時(月~日)、午後4~6時は要予約。不定休。「糸満市場いとま~る」の駐車場を使用できる。電話090(3299)2399

「おかあさんの店PONO」の看板商品のチキン南蛮定食。油で揚げず、片栗粉を絡めた鳥もも肉を焼いており、さっぱりした味付けが特徴だ
「素朴だが愛がこもった料理を目指したい」と語る店主の西平仁奈さん。非行など問題を抱えた児童の支援活動にも取り組む=10月31日、糸満市糸満

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