「認知症サポーター」知ってる? 2025年は65歳以上の5人に1人が認知症に 【アナたにプレゼン・テレビ派】 

【動画】馬場のぶえアナウンサーが伝える「認知症サポーター」【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーのテーマは「子育て」や「福祉」。今回は「認知症サポーター」をご紹介します。

認知症サポーターとは?

2025年に、65歳以上の5人に1人は認知症になると推計されています。他人ごとではないという事で、今、認知症を理解しようと、「認知症サポーター」になる人が増えています。認知症サポーターとはどういうものか、そして、認知症患者にどう対応すべきかをお伝えします。

認知症サポーターとは、日常生活の中で、認知症患者と家族を支援する人です。2015年から始まった制度で、現在全国におよそ1500万人のサポーターがいます。介護の資格などは特に必要なく、試験もないため、サポーター養成講座を受けると、子どもを含めて誰でもサポーターとして活動できるようになります。

厚生労働省が、認知症サポーターに求めていることが3つあります。認知症を正しく理解すること。そして、認知症患者や家族を温かく見守ること。さらに、認知症患者のために、自分なりにできることをすることなどが挙げられます。

認知症患者は、急に道路に飛び出したり、お店で同じ物をいくつ買ったりすることがあります。そういった時に、地域の人が、認知症を理解していると、優しい言葉をかけたり、上手に対応できるかもしれません。そうすることで、認知症患者も家族も、安心でき、生活がしやすくなります。

認知症サポーター養成講座とは?

広島市立中央図書館では、「認知症に優しい図書館」を目指して、認知症に関する本の展示など、様々なイベントを行っています。この央図書館で開催された「認知症サポーター養成講座」の講座時間は90分で、講師は、専門的な知識や、介護経験のある認知症アドバイザーが務めています。その内容は、認知症の主な症状や、認知症患者と接する時の心がまえなどとなっています。

この日の受講者は31人でした。受講理由は、認知症の家族がいたり、認知症患者に町で声をかけられた時、どう対応すべきかわからなかった、自分自身が認知症を予防したいので、勉強したいということです。

今回の講座には、広島大学で作業療法学を学んでいる学生、広島都市学園大学の図書館サークルの学生も参加しました。この学生たちが、今回の講座で、認知症に関する寸劇を披露しました。認知症患者にどう対応すべきか、リアルに考えてもらう内容でした。

今回のケースは、他人の家を自分の家と勘違いしている認知症患者に、どう声をかけるべきかでした。観劇後、受講者はグループに分かれて対応を話し合い、寸劇の中で実践しました。その中で、「ゆっくり話す」「挨拶をして、名乗る」「玄関に見覚えがあるか声をかける」ことを発表しました。

発表を見た認知症アドバイザー實川裕之(じつかわひろゆき)さんは、「ゆっくり話す」について、認知症患者は急がされるのが苦手なので、とても良かったと評価しました。また「挨拶をして、名乗る」ことについては、挨拶は誰でも嬉しく、名乗ることで、相手の自尊心を傷つけないと話しました。さらに、「玄関に見覚えがあるかと声をかける」ことで、本人の言うことを即座に否定せず、一度言ったことを受け止めることが大事とのことでした。

認知症の方への対応は?

これを踏まえて、認知症患者にどう対応したらいいか「7つのポイント」を聞きました。

対応ポイント<その1>

まずは見守ることです。急に話しかけたり、いきなり近づいてジロジロ見るのではなく、まずは見守りましょう。

対応ポイント<その2>

余裕を持って行動しましょう。こちらが動揺してしまうと、相手に伝わってしまいます。

対応ポイント<その3>

声をかけるときは、1人でかけましょう。人数が多い、相手にと恐怖心を感じさせてしまいます。

対応ポイント<その4>

後ろから声をかけないようにしましょう。びっくりさせてしまう可能性があるので、視野に入ってから話しかけるようにしましょう。

対応ポイント<その5>

目線を合わせて、やさしい口調で話しましょう。上から見下ろすように話してしまうと、命令されているような気持ちになってしまいます。

対応ポイント<その6>

おだやかに、はっきりした話し方で話しましょう。早口や大声は、恐怖心を感じさせてしまいます。

対応ポイント<その7>

相手の言葉に、耳を傾けてゆっくり対応しましょう。認知症の人は、急がされたり、複数のことを質問されるのが苦手です。

この認知症サポーター講座を修了すると、「認知症サポーターカード」を受け取ることができます。カードを受け取った鍵山信儀(かぎやまのぶよし)さんは、93歳の母親に認知症の症状を感じ、今回の講座に参加しました。「どう接すれば、母親の不安を抑えることができるか分かった」と話していました。サポーター養成講座は、地域包括支援センター、または、自治体の高齢者福祉に関する窓口にお問い合わせください。

【テレビ派 2023年11月8日放送】

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