「空爆で人質解放できず」 ハマス幹部、長期の停戦を要求

9日、共同通信の単独インタビューに応じるイスラム組織ハマス幹部、アブマルズーク氏=カタール・ドーハ(共同)

 【ドーハ共同】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの政治部門ナンバー2、アブマルズーク氏は9日、イスラエル軍の激しいガザ空爆で民間人の人質解放が妨げられていると主張した。解放のため、イスラエルが応じた「戦闘休止」より長期の「即時停戦」を求めると強調した。イスラエルの占領政策に対する「抵抗」はパレスチナ人の権利だとも述べ、攻撃を正当化した。

 滞在先のカタールの首都ドーハで共同通信の単独インタビューに応じた。10月7日の奇襲攻撃以来、日本メディアの取材に応じるのは初めて。

 アブマルズーク氏は、拘束する人質は民間人と兵士に分けられ、このうち民間人は「われわれのゲストだ」と述べた。民間人解放の条件は停戦以外にないとしている。兵士は「戦争捕虜」であり、別の交渉が必要と指摘。

 ガザへの支援物資搬入はエジプトが仲介役となり、人質交渉の仲介はカタールが担当していると説明した。「われわれはイスラエル人とは会わない」と直接交渉を否定し「彼らを見るのは戦場だけだ」と述べた。

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