ブギウギ第6週振りかえり・バドジズってなんや?

歌い踊ることを心から愛するヒロインが、やがて戦後を明るく照らすスター歌手となるまでを描く連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK朝ドラ)。11月11日の放送では、「バドジズってなんや?」と題する第6週(11月6日〜10日放送)を振りかえる。

日帝劇場の舞台にて、善一の曲を歌うスズ子(趣里)(C)NHK

■上京したスズ子、作曲家・羽鳥善一との出会い

新設の「梅丸楽劇団」に移籍するため、ヒロイン・スズ子(趣里)は後輩の秋山(伊原六花)とともに、生まれ育った大阪に別れを告げて上京する。2人は、東京の辛島部長(安井順平)の手配で、小村チズ(ふせえり)が営む下宿で暮らすこととなる。

楽劇団一同に挨拶するスズ子(右、趣里)と秋山(左、伊原六花)、演出家の松永(中央、新納慎也) (C)NHK

慣れない東京で観光地の見物や屋台での食事を楽しんだ2人は、不安と期待を抱きながら1日目を終える。一方、東京の「梅丸」では、作曲家の羽鳥善一(草彅剛)が自身の手がける曲を歌える歌手としてスズ子を待ちわびるのだった。

ついに新設の「梅丸楽劇団」での初日を迎えたスズ子と秋山は、演出家の松永(新納慎也)、バンマスの一井(陰山泰)、ダンサーの中山(小栗基裕)ら、そうそうたるメンバーと顔合わせをする。彼らは、海外に負けないような画期的な男女混合のミュージカルを作ろうとしていた。

スズ子は憧れの曲『別れのブルース』を作曲した羽鳥との対面に感動する。一方の羽鳥は、顔合わせの段階にもかかわらず、スズ子の歌を聞くや否や「じゃあ今から稽古しようか」と言い出し、周囲は慌てて止める。その翌日から、いよいよスズ子と秋山の稽古が始まるのだった。

■羽鳥とのレッスン内容に困惑「バドジズ・・・?」

さっそく羽鳥からレッスンを受けるスズ子だが、羽鳥はスズ子の歌い方に満足せず、500回以上繰りかえし歌い続けることになる。さらに、羽鳥からは具体的な指示はなく、ジャズの歌い方がわからないスズ子は困惑し、すっかり疲弊してしまう。

日帝劇場の稽古場にてレッスンをおこなうスズ子(趣里)、羽鳥(草彅剛)(C)NHK

一方、秋山も男性ダンサーに混じってのダンス練習に参加し、男女での体力の違いを痛感していた。過酷な練習に疲れ切った2人だが、秋山が「ダンサーの中山と会うのが少し楽しみ」と話したことから、スズ子は「恋」について意識し始めるのだった。

その後もスズ子と羽鳥のマンツーマンレッスンは続くが、羽鳥の求めるレベルに応えられないスズ子は困り果てていた。演出家の松永に「歌と羽鳥を大嫌いになりそう」と本音を明かしたスズ子は、「それでいいんじゃないか。その気持ちで歌えば」と助言をもらう。

意を決して羽鳥の自宅を訪ねたスズ子は、羽鳥の前で松永の言葉を胸に歌うと、ようやく好感触を得る。そして、羽鳥の妻・麻里(市川実和子)から、羽鳥が歌い手としての自分に期待していることを聞いたスズ子は、気持ちも新たに歌と向き合うのだった。

■ついに、梅丸楽劇団の旗揚げ公演の幕が上がる

歌うコツを掴んだスズ子は、その後も熱心に羽鳥とのレッスンを続け、歌声はぐんと熱を帯びてきていた。そして演出家の松永から励まされながら稽古を受けるスズ子は、松永から額にキスをされたことを機に、彼のことを意識しはじめる。

日帝劇場の舞台にて、善一の曲を歌うスズ子(趣里)、バンマスの一井(陰山泰)(C)NHK

一方、スズ子と同じく秋山も、ダンサーの中山のことが気になり始めていた。劇団内の恋模様も揺れ動くなか、ついに「梅丸楽劇団」の旗揚げ公演『スウィング・タイム』初日の幕が上がり・・・。

本作は、戦後「ブギの女王」として一世を風靡した歌手・笠置シヅ子さんをモデルに、歌の才能を開花させて上京したヒロインが、昭和を代表するスター歌手として激動の時代を生き抜いていく物語。

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