騒音論争で中止していた“ストリートピアノ”が場所を変えて復活 引っ越し先は多くの人が行き交う場所 

「うるさい」との苦情から利用を中止していた名古屋駅のストリートピアノが11月8日、8か月ぶりに場所を変えて復活しました。

引っ越し先はどんなところなんでしょうか?

誰でも自由に演奏できる「ストリートピアノ」。名古屋市は去年4月、“街の中で気軽に音楽を楽しんでほしい”と市内3か所にピアノを設置しました。そのうちの1つが名古屋駅に直結するJRゲートタワーでした。

9日、その場所を訪れてみると…

「ストリートピアノ」が消えた? 一体、何があったのでしょうか。

(名古屋市 観光文化交流局 谷太陽課長)
「(利用者が)ピアノを強く弾かれると、いろいろな意見をいただいたものですから…音がうるさいと」

ルールを守らない利用者が乱暴にピアノを弾き、「演奏がうるさい」といった苦情が月に数件あったことから、名古屋市はことし3月に利用を中止。

ピアノがあった場所は目と鼻の先、約1.5メートルほどのところにカフェがあり、長時間、その場に滞在する人がいる立地も「騒音」と受け取られた原因のひとつではないかと考えていました。

(名古屋市 観光文化交流局 谷太陽課長)
「(名古屋駅は)名古屋の玄関口というところもあるので、音楽に触れていただく機会をなんとか創出できないかと」

名駅のストリートピアノを何とか復活させたいと、名古屋市が考えたのが…

(脇田亜彩香記者)
「JRゲートタワーの15階から、別の場所に移動していました」

ピアノが引っ越したのは、もともとあったビルに隣接するJRセントラルタワーズの2階。8日から一般の人の利用が再開しました。

多くの人が行き来する名古屋駅にあって、ピアノの音色が「騒音」と受け取られる心配もなさそうです。

(利用者)
「15階にあった時もしょっちゅう行ってました。いろんなお客さんがいる中でガンガン弾いてしまうと、迷惑になってしまうんですけど、ここなら大丈夫そうですね」

8か月ぶりに復活したストリートピアノの音色。通りかかった人は…

(通行人)
「人混みのうるさい音より、(ピアノの)音があった方がいいのかなと思う」

また、場所を変えたことで、ストリートピアノから50メートルほどのところにいても、駅の人の会話やアナウンスなどにかき消されて、ピアノの音はほとんど聞こえません。

音量を測ると約70デシベル。これは高速で走る車の中と同じくらいの音量で、ピアノの音色はかき消されてしまいます。

(街の人)
「スタバの横(JRゲートタワー15階)の方がいいと思う。騒音って言ってる人の意味が分からない」

場所を変えて復活した名駅のストリートピアノは、より多くの人に楽しみや癒しを届けることができるでしょうか。

© CBCテレビ