8期連続純利益増、KNT-CTHD中間決算 インバウンドなど旅行需要が追い風

KNT―CTホールディングス(HD)が11月9日に発表した2024年3月期中間決算(23年4月1日~9月30日)の連結純利益は前年同期比7・5%増の27億5700億円となった。インバウンドがおう盛であるなど、旅行需要の回復が追い風となり、8期連続の純利益増に。通期は、コロナ関連の受託事業や全国旅行支援の縮小のほか、円安などによる海外旅行需要の回復の不透明さなどから、通期は同25・6%減の30億円と、減収減益とする従来予想を据え置いた。

KNT-CTHDの三宅専務

売上高は、前年同期比16・7%増の1245億1600万円、営業利益は同63・2%増の33億600万円、経常利益は同38・2%増の34億9300万円だった。

国内旅行では、今年4月に個人旅行のWeb販売事業および商品企画事業の部門を独立させた新会社「近畿日本ツーリストブループラネット」を立ち上げるなど、ウェブ販売の強化に努めた。

海外旅行は、添乗員付きの欧州、ビジネスクラスの商品に注力するも、円安や航空機の座席の供給不足で回復が遅れている。

訪日旅行は、新型コロナウイルスが2類から5類となり、水際対策の緩和や円安の効果でオンラインでの宿泊販売が進むほか、国際的スポーツイベントの誘致、G7広島サミット2023など団体での取り扱いが増えた。

このほか、新規事業として、昨年から始めているPTA業務のアウトソーシングサービス、今年度からスタートした部活動サポートサービス、未来創造事業の一環として米国で展開する店舗「ONIGIRI SUN」、ペットフレンドリー・トラベルサービス事業「RISPETTO」が堅調に推移した。

今後は、広がりを見せるインバウンド需要の獲得に向けて、世界中で人気が高まるアドベンチャーグループの取り組みを拡大する。

同日に行われた決算発表では、同社の三宅貞行専務は「8期連続で純利益増となった。2019年度終盤から進めた店舗の閉鎖や希望退職、販管費の圧縮など、構造改革による経費の削減が進んだ」と話した。経費は2018年度同期比で約125億円を削減した。

自己資本比率は、26・7%で、2018年度を上回っている。

通期決算予測は、売上高が2482億円、営業利益が35億円、経常利益が35億円。配当は、先行き不透明で未定となっている。

取材 TMS編集部

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