高梁市 水道水から基準超の塩素酸 10月検査、岡山県へ報告せず

 高梁市は10日、成羽町吹屋地区の水道水から国の基準値を超える塩素酸が検出されたと発表した。10月の定期検査で、1リットル当たり0.6ミリグラム以下の基準値に対し最大0.7ミリグラムを検出した。消毒に使う塩素の劣化が原因とみられ、市は浄水場のタンクの塩素を注入し直すなどし、10日の検査では0.58ミリグラムと下回った。

 市によると、市連絡所で10月17日に行った検査で0.7ミリグラム、確認のための25日の再検査で0.64ミリグラムとなった。検査は3カ月に一度で、7月には異常はなかった。また、検査結果は10月23日、11月2日にそれぞれ判明したが、9日まで岡山県に報告していなかった。「対策を講じればいいという認識だった」(上下水道課)という。

 塩素酸は長期的に摂取すると健康への影響が懸念され、異常があれば県へ報告することとされている。

 近藤隆則市長は「利用者に心配をかけ申し訳ない。水質検査や施設管理を一層厳重にしていく」とコメントした。

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