農業遺産を次世代に 七尾でシンポ、認定地で連携会議発足

農業遺産認定地の連携を確認する馳知事(中央)=七尾市和倉温泉

 国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産や農林水産省の日本農業遺産に認定されている石川など21県と32地域は10日、「農業遺産認定地域連携会議」を発足させた。七尾市で発足式を兼ねたシンポジウムが開催され、農業遺産の価値向上、情報発信へ連携することを確認した。

 同市和倉温泉の旅館「あえの風」で開かれたシンポジウムには約220人が参加。認定地を代表して馳浩知事と徳島県三好市の高井美穂市長らが連携会議発足の意義を説明し、馳知事は「農業遺産を次世代につなげるきっかけになる」と期待した。高橋光男農林水産政務官、平蔵豊志県議会副議長、能登地域GIAHS推進協議会長の茶谷義隆七尾市長があいさつした。

 国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットの渡辺綱男所長が講演。七尾東雲、航空石川など県内外11高校が里山里海の保全活動を発表し、パネル討論会も行われた。

 連携会議は認定地の持ち回りで定期的に開き、物産展での共同PRや、農作物の6次産業化商品の開発などで連携していく。

 高橋政務官は輪島市の古民家レストランや千枚田を視察し「各認定地の知恵を共有して連携できるように支援していきたい」と述べた。11日は能登地域を巡るエクスカーション(小旅行)を行う。

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