ほたるいか海上観光値上げ 富山県滑川市、燃料・人件費の高騰影響

 富山県滑川市は10日、来季の「ほたるいか海上観光」について、料金を値上げする方針を示した。燃料費などの高騰を踏まえた対応で、大人は3千円増の8千円、子どもは千円増の4千円となる。値上げは2015年以来。運航は来年3月30日~5月6日の38日間で、人手不足のため船は1隻体制とする。市議会産業厚生建設委員会協議会で説明した。

 市議からは値上げの根拠などを指摘する意見が挙がり、市は15年と比べ、燃料費や人件費などがそれぞれ3割ほど高騰し、深夜の長時間運航であることも考慮したと説明。漁を間近で見られる全国的に珍しい観光だとし、「思い切った値上げだが8千円分の価値は十分にあり、お客様には来ていただけると考えている」と述べた。日中の観光を促すため、ほたるいかミュージアムなどで使える割引クーポンを配る予定。

 海上観光は、市の遊覧船「キラリン」と氷見市の民間船で実施している。来季は民間船の船長の確保が難しく、キラリンのみ運航する。定員は40人。天候不良で欠航するかは、前日午後6時と当日午前1時の2回に分けて判断し、欠航した場合は当日に限り、ミュージアムに無料で入館できるようにする。支払いは現地での現金払いから事前のカード決済に切り替える。

 ことしの海上観光の利用者は国内外の1048人で、出航率は51.4%だった。

© 株式会社北日本新聞社