ヤクルト2軍、27年茨城・守谷に 球団や市など協定締結 本拠地を移転新設

ヤクルト2軍施設のイメージ図(守谷市提供)

プロ野球のヤクルト球団や茨城県などは10日、2軍の球場や選手寮などの施設を茨城県守谷市に新設するとした基本協定を結んだ。締結式が県庁で開かれ、市やヤクルト本社の4者で調印した。埼玉県戸田市の現施設から移転し、2027年2月ごろからの利用を予定する。プロ野球の本拠地が茨城県内に置かれるのは1、2軍を通じ、現リーグ制で初めて。

2軍施設は守谷市野木崎地区に整備する。市が「常総運動公園」の隣に約20ヘクタールの総合公園を新設し、このうち球団側が7.3ヘクタールを新拠点として整備する。球場や屋内練習場、クラブハウスなどを建てる。戸田市の現施設の老朽化などに伴って、球団と守谷市で協議を進めてきた。

球場は地上3階建て、観客席3千。内野は人工芝、外野は天然芝で、両翼100メートル、中堅122メートル。ナイター設備を備える。サブグラウンドや室内練習場、選手寮、クラブハウスを整備し、27年シーズンの開業を予定する。

協定では、ヤクルト本社が球場などを建設して市に寄付し、市が施設の営業権を同社に付与する。スマートインターチェンジの整備が予定される常磐自動車道守谷サービスエリア周辺の土地を同社が一部取得し、施設を建設することなどが盛り込まれた。県は施設完成後のスポーツ振興や交流人口の拡大、地域活性化について連携して協力する。

締結式でヤクルト本社の成田裕社長は「ファンや地域の皆さまに愛されるような球団を育てていきたい」とコメント。球団の衣笠剛会長は「茨城県民や守谷市民の方々に、ヤクルトのファンになってもらってプロ野球の迫力ある試合を見てほしい」と話した。

松丸修久市長は「県と市のスポーツ振興や教育の充実を含めてまい進したい」と意欲。大井川和彦知事は「子どもたちのアスリート育成にもつながる」と期待した。

ヤクルト2軍施設の守谷市移転に関する基本協定を結んだ(左から)ヤクルト球団の衣笠剛会長、ヤクルト本社の成田裕社長、松丸修久守谷市長、大井川和彦知事=県庁

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