ガザ人道状況改善「先頭に」 上川外相、日中会談にも意欲

共同通信の単独インタビューに応じる上川外相

 上川陽子外相は10日、共同通信の単独インタビューに応じた。イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続く中東情勢を巡り、喫緊の人道状況改善と将来の「2国家解決」実現を目指し、先頭に立って取り組む決意を表明。「イスラエル、パレスチナ自治政府や中東各国と話ができる日本の立場を利用し、粘り強く働きかけ結果を出したい」と述べた。中国とは多くの課題があるとしつつ、王毅外相との会談に強い意欲を示した。

 パレスチナ自治区ガザの人道危機に触れ、12月の「グローバル難民フォーラム」を通じて各国に支援強化を促すと説明。紛争解決などの過程で女性参画を推進する「女性・平和・安全保障(WPS)」の視点を踏まえた対応が、持続的な平和構築に不可欠だと指摘した。

 王氏との会談について「課題や問題があるからこそ対話の重要性は高まっている」と強調。日中韓3カ国の協力は「地域全体の繁栄の原動力だ」と述べた。

 北朝鮮による日本人拉致問題を巡っては「協議のための外交的取り組みをリードする大きな責任があると感じている」と語った。

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