ヤンバルの小さな商店に「ヤモリの薬」 注目度が爆上がり、その理由とは【11月4日~10日 タイムス+プラスのみどころ】

 「キキキ」。幼かった頃、食事中や床に就く時間にあの不気味な鳴き声が聞こえると、祖父母にこう教えられたものでした。「やーぬ守り神やくとぅ、退治してーならん(家の守り神だから、退治してはいけない)」

 そのおかげで、チョロチョロと動く姿が視界に入っても、平然としていられるタイプですが、エアコンの室外機が壊されたり、窓枠や洗濯物にフンをされたりして頭を抱えた経験も少なくありません。

 そう、最初に紹介するのは沖縄では「ヤールー」と呼ばれる「ヤモリ」の話題。沖縄本島北部にある小さな商店で売っている「やもりのくすり」の注目度が爆上がりなのです!

においでヤモリを寄せ付けない効果があるという「ヤモリアロマ」。容器にスティックを挿して利用する

 こんなところにもビジネスチャンスがあったとは。「ヤモリ問題」に向き合う沖縄県民の多さ、手作りの忌避剤の中身に驚きました。

 「家守」と表現され、蚊やゴキブリなどの害虫を食べてくれるありがたい存在でもあるヤモリ。人間の身勝手さを自覚しつつ、現れる際は厄介者にならないように、ほどよい頻度で、と願ってしまいます。

 ちなみに愛知県出身の先輩記者は「トービーラー(ゴキブリ)は大丈夫だけど、ヤールーだけは無理」とのこと。えっ、ゴキブリは大丈夫なんですか!? この部分だけは、永遠に分かり合えそうにありません。 

 ヤモリの記事は、読者の疑問を記者が掘り下げて調べる「あなたのナゼに ココホル取材班」の一環です。

 過去には、沖縄のコロナ感染者数が断トツに多い理由、車や洗濯物に付着する黄色いポツポツの正体、おつまみに人気の魚「スク」が取れなくなった背景などに迫りました。新たな発見が盛りだくさんの人気企画の一つ。皆さんもぜひ、日頃の何気ない「ナゼ」を沖縄タイムスに寄せてみませんか。こちらのフォーム(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdUpYgT88fu9iSuIjo_YE4DjW2e6pPicEm6deuPUzNB3alEJw/viewform)から投稿できます。

地球の裏側で輝くオキナワ 

 9月末から10月上旬にかけ、国際協力機構(JICA)が実施した「中南米日系社会との連携調査団」。同行した政経部の川野百合子記者による事後連載が、全9回で終了しました。たくさんの沖縄県系移民が暮らすペルー、ボリビア、ブラジルの南米3カ国を県内企業8社が17日間の日程で巡った記録です。

 言語や制度の違い、輸送コストなど多くの課題がありながら、地球の裏側でウチナーンチュ・アイデンティティを持って活躍する人々とのビジネス連携を探るプロセスは、壮大で夢を感じます。

 ボリビアのオキナワ移住地では、主要産業・農業の中心組織「コロニア沖縄農牧総合協同組合(CAICO)」のトップが女性。ペルー・ワラル市の県系農協は組合員25人のうち15人が40代以下の若い世代だそうですよ。

 さまざまな学びを与えてくれる川野記者のリポート、ぜひお目通しください。また、元沖縄タイムス記者で、現在は会社社長を務める座安あきのさんにもボリビアの沖縄県人入植地「コロニア・オキナワ」での農業を軸にした取り組みについて寄稿してもらいました。こちらもぜひ。

ジュエルカフェ創業者はウチナーンチュ

 ウチナーンチュといえば、国内外に約300店舗を展開する貴金属買い取り専門店「ジュエルカフェ」を立ち上げたのも沖縄出身の男性。売上高を180億円まで伸ばした道のりに迫った上下2回の深掘りコンテンツがよく読まれています。

貴金属買い取り専門店「ジュエルカフェ」(提供)

ゆーふるやーフォーエバー

 今週は、沖縄県内に唯一残る沖縄市安慶田のゆーふるやー(銭湯)で、90歳になる女性が営んでいた「中乃湯」に後継ぎが誕生した話題にも心が温まりました。会社を辞め、銭湯をもり立てる31歳女性の熱い思いに触れてください。

 立冬を迎えたというのに、まだまだ暑く、アイスクリームや氷ぜんざいが売れているそうです。が、雨が降ると肌寒く、13日以降は最低気温が20度を下回る日もある予報。寒暖差で風邪をひかぬよう体調管理には十分お気をつけください。今週のデジ編チョイスは新垣綾子が担当しました。

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