7人の僧侶が鉦打ち鳴らし、踊りながら念仏 栃木の福正寺で「踊り念仏」奉納

福正寺で奉納された踊り念仏

 【栃木】西方町元の福正(ふくしょう)寺でこのほど、踊り念仏「一向上人踊躍念仏(いっこうしょうにんゆやくねんぶつ)」が奉納された。一般にも公開され、地元住民ら約100人が見学した。

 踊り念仏は僧侶が鉦(かね)を打ち鳴らし、踊りながら念仏を唱える。鎌倉時代の遊行僧・一向上人が踊り念仏で宗派を広げようとしたのが起源とされる。

 一向上人が1278年に開いた同寺では踊り念仏が伝承されていたが、明治時代に途絶えたという。その後、開山730年記念として2008年、約140年ぶりに復活させ、毎年奉納している。

 7人の僧侶が念仏を唱えながら躍動的な踊りを披露し、先祖の供養や現代の幸福などを願った。松涛淳一(まつなみじゅんいち)住職(68)は「踊り念仏が残っているのは全国でも少ない。たくさんの人に親しんでもらいたい」と話した。

© 株式会社下野新聞社