世界自然遺産・白神山地への主要アクセス道、県道岩崎西目屋弘前線「白神ライン」の砂子瀬-暗門間(青森県西目屋村、7.4キロ)が10日、冬季閉鎖となった。村によると、暗門の「世界遺産の径(みち)ブナ林散策道」や「暗門の滝」を訪れた人は前年比約1.8倍の2万2370人(10月26日時点)で、コロナ流行前の2019年の総計をやや上回るなど、世界遺産登録30周年イヤーの観光は盛況のうちに終わった。
今季の観光シーズンは4月25日、「砂子瀬ゲート」の冬季閉鎖解除に伴いスタート。村産業課の菅原孝之課長は「関係者が30周年のPRを頑張ったことに加え、アフターコロナで観光が活発だった」と分析。
手軽な森林散策を組み込んだ団体ツアーも多かったとし、「森林浴など自然志向の旅行者から人気を集めている。インバウンド(訪日客)はまだ伸びしろがあり、来年以降も魅力を伝えていきたい」と語った。
トレッキングツアーなどを展開している白神山地ガイド会(弘前市)の渡邊禎仁代表は「過去最高の人の入り。5月から10月までほとんど休みがなかった」と振り返る。今年は30周年をとらえた旅行会社のツアーが数多く企画されたといい、「ブナの森が持つ癒やしの効果が人気だった。来季もこの流れが続いてほしい」と話した。
白神で人気観光エリアの十二湖(深浦町)は11月30日に閉鎖となる。各ガイド団体は冬のトレッキングツアーなども用意している。