青森県弘前市の健生病院は、消化器内科と同外科の連携を強化した「消化器センター」を設置し、1日から運用している。別フロアにあった両科を同じフロアに集約し、医師同士の連携を迅速化することで医療サービスの向上を図る。
これまで4階にあった消化器内科を同外科のある3階に移し、双方を行き来しやすくした。救急患者の対応のほか、内科に入院した後、外科手術が必要になるケースもあるため、千葉大輔センター長(47)=同院副院長=は「急がなければ命に関わることもある。センターを設置したことでより両科の垣根が低くなる」と強調した。
内視鏡での検診にも力を入れる。内視鏡検診は現在、予約が1カ月先まで埋まっているが、今後は内視鏡室を3部屋から4部屋に増やす予定。内視鏡の機器も従来より細い管で、検査を受ける人の負担が少ない最新機器の導入を決めている。
青森県は胃がんや大腸がんなど消化器系のがん死亡率が高く千葉センター長は「早期の発見が大切。内視鏡検診に苦手意識のある人も来てほしい」と話した。
千葉センター長が同院に着任した2001年は消化器の内科医は1人だったが、現在は消化器内科医7人、同外科医8人。院内の他の科よりも倍近い医師が在籍するまでに力をつけた。千葉センター長は「マンパワーも充実し、機が熟した。本院はこれまで救急とリハビリの2本柱だったが3本目の柱にしたい」と力を込めた。