【エリザベス女王杯/騎手データ】ルメールJ苦手コースか “馬券内率83.3%”で軸にすべきは……

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同レースは京都競馬場の大規模改修工事に伴う日割り変更のため2020~22年にかけては阪神競馬場が舞台。京都競馬場で行われるのは2019年以来4年ぶりです。

今回は20200~22年の阪神開催を除く2000~19年の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。

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目次

■C.ルメール騎手のエリザベス女王杯は…

今年のエリザベス女王杯に騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは11騎手。各騎手のデータは次の通りです。

エリザベス女王杯の騎手別成績(2000~19年)

今回は連対率20%以上を記録する4騎手に焦点を当て順に見ていきます。

まず取り上げるのがGI優勝請負人であるC.ルメール騎手。2007年のフサイチパンドラ(3番人気2着)、08年のリトルアマポーラ(4番人気1着)、16年のシングウィズジョイ(12番人気2着)など度々好走してきました。

ただし、他GIと比べると上位人気時の成績がイマイチで1~3番人気時は【0.1.0.3】連対率25%。同騎手の全GIにおける1~3番人気時の成績は2000年以降【39.29.21.53】で連対率47.9%と、これと比較してもその差は歴然。2017年のヴィブロス(1番人気5着)、18年のノームコア(2番人気5着)と人気を裏切ってしまうケースが近年は見られ、どうもGIの中では苦手なようです。

同騎手は前日16時時点1番人気のブレイディヴェーグ(牝3、美浦・宮田敬介厩舎)に騎乗予定。「GIで人気のC.ルメール騎手は買い」と本記事で伝えてきたことがここまで多かったのですが、エリザベス女王杯は該当しない可能性があることを覚えておいてください。

それでも今年のC.ルメール騎手はJRAのGIで【4.2.4.3】連対率46.2%、複勝率76.9%ですから、苦手なレースを克服してしまうことは十分に考えられますね。

■岩田康誠騎手は高連対率だが…

続いて11騎手中2番目に高い連対率28.6%を記録する岩田康誠騎手のデータを見ていきます。

同騎手は2011年のアヴェンチュラ(2番人気)、14年・15年のヌーヴォレコルト(ともに1番人気)、18年のクロコスミア(9番人気)で2着が4度あります。データ上は人気馬で取りこぼしていると判断するのが適切かもしれませんが、1~2番人気では【0.3.0.1】で連対率75%なので、人気馬に跨った際は連軸として期待できます。

同騎手は今年のエリザベス女王杯で前日16時時点13番人気のイズジョーノキセキ(牝6、栗東・中村直也厩舎)に跨ります。当日上位人気に推される可能性は低く、押さえまでが良さそうですね。

■M.デムーロ騎手は勝負強い

さらにエリザベス女王杯で勝負強い騎乗を続けているM.デムーロ騎手のデータを見ていきましょう。

2012年のピクシープリンセス(5番人気3着)から始まり、16年のクイーンズリング(3番人気1着)、17年のモズカッチャン(5番人気1着)、18年のモズカッチャン(1番人気3着)、19年のラヴズオンリーユー(1番人気3着)で5度の馬券絡み。素の数値で連対率25.0%、複勝率62.5%と優秀で、5番人気以内の馬に騎乗時は【2.0.3.1】連対率33.3%、複勝率83.3%を記録します。3連複の軸として信頼できますね。

そのM.デムーロ騎手が騎乗するのは前日16時時点6番人気のディヴィーナ(牝5、栗東・友道康夫厩舎)。この人気を当日もキープなら人気以上の好走が見られるかもしれません。

■R.ムーア騎手は騎乗馬の年齢がカギ

最後にR.ムーア騎手のデータを見ていきましょう。同騎手は2010年のスノーフェアリー(4番人気1着)、翌年も同馬(1番人気1着)で見事連覇を達成。ただし、2015年のラキシス(2番人気11着)、17年のルージュバック(2番人気9着)で人気を大きく下回る着順に敗れているのは気になります。

データ上の注目材料は騎乗馬の年齢で、3歳馬または4歳馬に騎乗時は【2.0.0.1】の勝率66.7%。スノーフェアリーの結果と言えばそれまでなのですが、人気で敗れたラキシスとルージュバックは出走当時5歳だったので、年齢は気にするべきでしょう。

今年のエリザベス女王杯でR.ムーア騎手が跨るのが前日16時時点2番人気のジェラルディーナ(牝5、栗東・斉藤崇史厩舎)。データ的にはどうしてもラキシスとルージュバックが重なってしまうため強く推すことはできません。昨年の覇者ですが、押さえまでと考えます。

以上、エリザベス女王杯の気になる騎手データでした。データ注目騎手はM.デムーロ騎手です。執筆段階で騎乗馬ディヴィーナの複勝オッズは3.4倍-5.6倍。複勝1点勝負でも十分妙味がありますし、おすすめしたいです。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。

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