“悪夢”の「80」から2週間 鈴木愛「吹っ切れてますけど…」

「65」で2位浮上(撮影/奥田泰也)

◇国内男子◇伊藤園レディスゴルフトーナメント 2日目(11日)◇グレートアイランド倶楽部(千葉)◇6741yd(パー72)◇曇り(観衆5298人)

2週前の「樋口久子 三菱電機レディス」の最終日。2打差の単独首位で出た鈴木愛は「80」をたたき、19位で終えた。パー4の11番では「8」をたたくなど、失意のラウンド。ホールアウト後には「何もしゃべることはないです」と肩を落とし、コースを後にした。

あれから2週間経った今、「吹っ切れてますけど、さすがに優勝争いで『80』を打った覚えはなかったので、気持ちが落ちてしまったところはあった」と正直な思いを明かした。今季は首位で最終日を迎えた4試合の内、逃げ切ったのはツアー17勝目を挙げた8月「北海道meijiカップ」のみ。

「優勝争いを何度かしているのに、ひとつしか勝てていない」と勝ち切れていないことは痛いほど自覚している。「自分の悪いものを払拭しないといけない。優勝争いで伸ばせていないことが大きな要因だと思うけど、ショットが悪くなったりパットが入らなかったり、少しずつかみ合っていない部分がある」と自己分析する。

グリーン上では開き直った(撮影/奥田泰也)

今週は開幕前々日の8日から頭痛に悩まされるなど本調子ではない中で迎えたが、初日を3アンダー19位で滑り出すと、この日は8バーディ、1ボギーの「65」をマーク。通算10アンダー2位に浮上した。

歴代覇者(2019年)の一人として臨んでいる今大会だが、「『優勝したのが奇跡やな』って思えるくらい、ツアーの中でもトップ3に入るくらい読みづらいグリーン」。19年には平均パット数でツアー1位に輝いたパター巧者。この日のパット数は「28」でフィールド9位だったが、「入らんかったら入らんかったで、あまり気にしてない」と開き直りが好スコアにつながった。

首位の西郷真央を2打差で追う最終日は「アイアンで4、5m以内につけて、そこからパットが決まれば。短いクラブの時にしっかりチャンスにつけてバーディを決めたい」。勝利を逃した悔しさは、勝利でしか晴らせない。(千葉県長南町/内山孝志朗)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン