緑を守り未来へ 秋篠宮ご夫妻 樹木お手入れ 茨城県で全国育樹祭【更新】

上皇さまが在位中の2005年に植えたタブノキを枝打ちされる秋篠宮さま=11日午後、県水郷県民の森(代表撮影)

森林を守り育てる大切さを伝える第46回全国育樹祭が11日、茨城県潮来市の県水郷県民の森などで始まった。秋篠宮ご夫妻が式典に臨み、上皇ご夫妻が在位中の2005年に第56回全国植樹祭で植えた樹木を手入れされた。全国育樹祭の茨城県開催は1989年以来34年ぶり2回目。12日まで開かれる。

秋篠宮さまは県水郷県民の森で、のこぎりを使い、上皇さまが在位中に植えたタブノキの枝打ちをし、紀子さまは上皇后美智子さまが植えたヤマボウシに肥料を与えた。

秋篠宮ご夫妻は、05年の全国植樹祭や県水郷県民の森について、潮来市立牛堀小学校緑の少年団から説明を受けた。式典の後、6年の小林優一さん(12)は「緊張したが、学校のことなどを優しく聞いていただいた」と感想を話した。紀子さまに肥料を渡す介添えをした県立大子清流高農林科学科1年の辰巳結さん(15)は「笑顔で接していただき、お話しすることができた。とても貴重な経験になった」と語った。

秋篠宮ご夫妻は、同県行方市の施設で、緑を守り育てる活動に取り組む茨城県や福島県の小学生らの発表を熱心に聞いた。

同日午前には、同市の県水産試験場内水面支場を視察した。霞ケ浦北浦で採れたシラウオの卵を顕微鏡で見たほか、チョウザメの水槽の前でキャビアの生産効率化に向けた養殖の技術研究について説明を受けた。秋篠宮さまは「最大でどれくらいまで」と体長を尋ねた。

秋篠宮ご夫妻は、1泊2日の日程で、12日に同県水戸市で開かれる全国育樹祭の式典に出席する。約2000人が参加し、秋篠宮さまがお言葉を述べられる。

 初日を終えた秋篠宮ご夫妻は宮内庁を通し、手入れされたタブノキなどについて「18年の時を経て、健やかに育っているのを見て嬉しく思った。(水郷県民の森が)子どもたちにとって木や森を学んだり、遊んだりする場所になっていることも知りました」と感想を発表した。

 大井川知事は記者会見で「林業など関係者の励みになった」と説明。「殿下を茨城にお迎えでき、感激している。緑の少年団や功労者、関係者に親しく接していただき、優しいお人柄をうかがえた」と話した。

全国育樹祭は、森林を守り育てる大切さを普及しようと、1977年に大分県で始まった。その後、過去に全国植樹祭を開催した都道府県で毎年秋に実施している。今回のテーマは「誰かじゃない 僕が育てる 緑の日本」として、未来につながる新しい林業の姿を茨城県から全国に発信することを目指している。

ヤマボウシに肥料を施される秋篠宮妃紀子さま=11日午後、県水郷県民の森(代表撮影)

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