秋の夜空に大輪2千発 観客魅了 高梁で6年ぶり成羽愛宕大花火

6年ぶりに開催され夜空を彩った成羽愛宕大花火=11日午後7時7分、高梁市成羽町下原

 江戸時代から300年以上の歴史がある成羽愛宕(あたご)大花火(備北商工会など各種団体でつくる実行委主催)が11日夜、高梁市成羽町下原の成羽川河川敷で開催された。新型コロナウイルス禍などの影響で6年ぶり。約2千発の花火が秋の夜空に打ち上げられ、色鮮やかな大輪が次々に花開き、観衆を魅了した。

 午後7時開始の3~4時間前から再開を待ちわびていた家族連れらが詰めかけた。打ち上げ花火のほか、住民手作りの大規模な仕掛け花火が全7景あり、名物「大銀滝」は数百メートルにわたる光のシャワーが川面を照らし、一帯を幻想的な雰囲気に包んだ。米大リーグの大谷翔平選手や高梁ゆかりのお笑いコンビ・東京ホテイソンを題材にした絵柄も浮かび会場を沸かせた。

 観客(69)=同市=は「地元を活気づかせる行事でずっと見たかった。秋の花火も素晴らしい」と話した。

 従来は7月末に行っていたが、雨の心配が少ない秋に変更。花火を背に屋外で披露していた備中神楽(国重要無形民俗文化財)は近くの成羽複合施設で昼から夕方まで上演した。

 初開催は成羽藩時代の1704(宝永元)年とされる。2018年は西日本豪雨、19年は大雨、20~22年はコロナ禍で中止した。

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