富山一が9連覇 富山北部に3―0 高校サッカー選手権県大会

優勝に歓喜する多賀(6)ら富山一イレブン=富山市の県総合運動公園陸上競技場

 第102回全国高校サッカー選手権県大会最終日(11日・富山市の県総合運動公園陸上競技場)決勝が行われ、富山一が富山北部を3―0で破り、9年連続34度目の優勝を果たした。富山一はチームの最多連覇記録を更新した。12月28日に開幕する全国選手権に出場する。

 試合は富山一が終始主導権を握り、王者の意地を見せた。富山一は前半、コーナーキックから2得点。21分は主将のMF多賀滉人(3年)がこぼれ球を蹴り込んで先制し、24分はFW川原瑠偉(同)が頭で追加点を挙げた。

 後半も前線からプレスをかけてボールを奪いに行き、アディショナルタイムにDF大居優汰(同)が左足でミドルシュートを決めた。GK魚住秀真(同)は好守で勝利に貢献し、今大会4試合を無失点で終えた。

 4月から指揮を執る加納靖典監督は「勝つために何をやっているかを感じて、表現する。試合を支配して勝利する」と全国舞台を見据えた。

 富山北部は62年ぶり3度目の全国選手権出場を狙い、27年ぶりに決勝のピッチに立った。終盤にFW笠原光晟(3年)がドリブルでチャンスをつくり出し左足でシュートを放つもGKに阻まれ、1点が遠かった。

  ●主将多賀が先制弾 「チーム全員で優勝」

 頼れる主将の先制弾が流れを呼び込んだ。多賀は「自分のゴールで勢いを付けられた。チーム全員で優勝できた」と喜び、応援団の前で優勝カップを高く突き上げて感謝した。

 5歳上の兄稔人さん(富山一高OB)に憧れて同校に進学。兄は全国高校総体で8強入りし「兄貴を超えたい」と思いを強くした。決勝前に兄から届いたメッセージは「苦しかったらスタンドを見ろ」。仲間に力をもらい統率力を発揮した。

 過去2年の全国選手権は初戦敗退に終わった。「強い富一をもう一回、証明しないといけない」。目標の日本一へ、厳しいチーム内競争をあおっていく。

果敢にゴールを狙う富山一の川原(11)

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