関東大震災の山津波で落命― マンガで伝える「地震峠」 相模原の津久井高漫研が制作「知るきっかけになれば」

関東大震災で16人が犠牲になった「地震峠」を伝える漫画の一部

 関東大震災で16人が犠牲になった相模原市緑区鳥屋にある「地震峠」の記憶を後世に伝えようと、県立津久井高校(同区三ケ木)の漫画研究部が漫画を制作した。生徒たちは今月1日、地元住民らと市役所を訪れ、千冊を寄贈。100年前の大震災に思いをはせ「漫画が地震峠を知るきっかけになってくれたらうれしい」と語った。

 鳥屋地域では関東大震災で山の斜面が崩落する「山津波」が発生し、子どもを含む16人が命を落とした。土砂が堆積した場所は「地震峠」と呼ばれ、昨年、16人の名前などが刻まれた新たな伝承碑が設置された。

 大震災から100年の今年、遺族らでつくる「鳥屋・地震峠を守る会」が「若い世代に継承していきたい」と津久井高漫画研究部に漫画の制作を依頼。同部の部員や卒業生らが約2カ月かけて完成させた。

 漫画のタイトルは「百年の時を超えて繋(つな)がる命」。女子生徒が鳥屋に住む祖父とともに地震峠を訪れ、震災の歴史を学ぶ物語。同部の生徒たちは「当時のことを詳しく知りたい」と制作前に現地を訪れ、遺族に話を聞きに行ったという。

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