秋篠宮ご夫妻を迎えた第46回全国育樹祭が11日、茨城県潮来市などで始まった。県内各地で関連行事が開かれ、参加者は森林の恵みや水資源の大切さを再確認。行方市宇崎で開かれた「全国緑の少年団活動発表大会」では、茨城県の子どもたちが「世代を超え、ふるさとの森をつくりたい」と発表し、ご夫妻は熱心に耳を傾けられた。
同大会で茨城県を代表して取り組みを発表したのは、大子町の「生瀬緑の少年団」。同町立生瀬小の児童は2014年から約10年間にわたって緑の少年団活動を続けており、本年度は全校児童32人が参画した。
この日は安藤涼花さん(12)、小林茜音さん(11)、黒田万倖樹君(12)の6年生3人が「ふれあいの森林(もり)を、ふるさとの森林へ」と題し、学校裏の森林で行っている学習や交流、整備の各活動を紹介した。間伐体験やシイタケ栽培、落ち葉集め、音楽会などさまざまな取り組みについて説明し「世代を超えてつないでいける、ふるさとの森をつくっていけたらいい」と声高らかに発表。ご夫妻は、時折笑みを浮かべながら発表に聞き入られた。
会場の講評担当者が、児童に最も好きな活動について問いかけると、小林さんは「雪遊びです。雪が降ることは珍しく、みんな楽しみにしています」などと話した。安藤さんは発表終了後、「リハーサル会場の方が広かったためか、あまり緊張しなかった。うまく発表できたと思う」と胸を張った。
大会ではこのほか、福島、山梨、岐阜、愛知の各県から参加した団体の取り組みも紹介。子どもたちの発表後には、東京海洋大名誉博士を務めるさかなクンによる特別講演「森林から川、海へ~自然が教えてくれること~」も開かれ、森から川、海、大気、雨となって再び森を潤す水の循環について解説した。
ご夫妻は大会に先立ち、行方市玉造甲の県水産試験場内水面支場も訪問。チョウザメの飼育場視察のほか、霞ケ浦で採れたシラウオの卵を顕微鏡で観察された。
塩漬けしたチョウザメの卵はキャビアと呼ばれ、世界三大珍味の一つ。同支場では2018年から、新たな産業創出に向けてチョウザメの飼育・研究を行っている。
秋篠宮さまは、水槽を泳ぐチョウザメを見ながら「アキペンサーですね」と学名で呼び、その後も担当者の説明に聞き入った。また、紀子さまは、チョウザメの名前の由来について、担当者から「ウロコが昆虫のチョウに似ているからです」などと説明を受けると、感心した様子でうなずかれていた。