辺野古基地建設の前提「普天間」返還は大丈夫か

 普天間飛行場の危険を除去するため、名護市辺野古への「辺野古基地」建設の理解を得る根拠そのものが崩れる可能性が出てきた。米軍幹部が辺野古基地完成後も普天間飛行場を維持したい意向を示しているとの報道があるためだ。

 木原稔防衛大臣は10日の記者会見で、米軍関係者の発言について「逐一コメントすることは差し控えたいと思うが、普天間飛行場代替施設の建設については日米両政府で合意されており、普天間飛行場の固定化を避けるために辺野古移設が唯一の解決策という点について米側との間で累次にわたって確認されている」と辺野古基地は普天間基地の代替基地であることを強調した。

 また木原大臣は「私も10月4日に訪米し、オースティン国防長官と会談したが、その際も普天間飛行場の辺野古移設を含む米軍再編計画については今後の着実な進展のために日米で緊密に協力していくことを確認した。そういう意味で言うと、防衛省としては普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現し、基地負担の軽減を図るため、全力で取組んでいくという考えに変わりない」と述べた。

 政府はこれでも国会答弁含め、一貫して、抑止力を維持しながら普天間基地の危険除去には辺野古基地建設が唯一の策との姿勢を示し、辺野古基地建設は普天間基地の全面返還を受けるためだと地元にも理解を求めてきた。その前提が揺らぐとなると沖縄県民の政府に対する不信感はこれまで以上に募ることになりかねず、普天間飛行場を維持したい意向発言を政府は確認する必要がある。(編集担当:森高龍二)

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