“いきなりトリ”に開き直る 勝みなみパターで20yd超のミラクルインも

1番の大トラブルから「68」をマーク(撮影/村上航)

◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 3日目(11日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)

首位と2打差の2位から最終組に入った勝みなみは、スタートの1番で大トラブルに見舞われた。ティショットを左に曲げ、松の葉の上から打った2打目もミスして大きく右へ。砲台グリーンへのアプローチが傾斜で手前に戻され、パターに持ち替えた4打目も返ってきた。5オン2パットのトリプルボギーで早々に優勝戦線から脱落しかけた。

もちろんショックを受けつつ、「1番のことを考えても、やらかしたことは戻ってこない。“どうにでもなれ”って感じで切り替えた」と開き直れるメンタリティがある。6番で最初のバーディを奪い、続く7番(パー5)は3日連続で右隣にある4番を経由して2オン2パット。2連続とした。

今はショットに自信がある(撮影/村上航)

折り返して10番でボギーを喫しても、すぐに4連続バーディを取り返してものともしない。皮切りとなった12番(パー3)は、あと少しでランボルギーニがゲットできる(リース契約らしい…)スーパーショット。8Iで20㎝に絡めて獲り、4連続目となった15番(パー3)は奥に外しても20yd超をパターで流し込んだ。

予想もつかないプレーが人を引きつける(撮影/村上航)

砲台グリーンに対してパターを使った寄せは、今週多用しているプレー。ただ、この日の1番では強い傾斜を上り切れなかった。イヤなイメージがちらつきそうな場面にも「1番のこと、忘れてました」と笑う。本人の中では、10番で手前からショートしたウェッジのアプローチミスが最も避けたいこと。「失敗しても、パターの方がまだいいかな」。セカンドを右に落とした17番も、パターで土手を駆け上がらせてから5mのパーパットを決め切った。

最終組で真骨頂を見せた(撮影/村上航)

「あの“トリ”があったからこそ2つ伸ばせたのかな」と胸を張る「68」。痛恨のホールを引きずらない精神力、随所で発揮したショット力、そして飛び出す神がかり的なスーパープレー…。真骨頂を見せた。首位と6打差の通算12アンダー8位に後退しながら、ワクワク感が漂うのも勝ならではだ。

最終日は6打差を追う(撮影/村上航)

現状78位のポイントランキングも、今大会の結果次第では上位60人による次週の最終戦「CMEグループ ツアー選手権」に滑り込む可能性もある。「一打一打、やってきたことを出し切って、それ(最終戦)はもう、天のみぞ知ることなので。応援してくれるファンの方もいるし、自分の集大成のゴルフ、いいゴルフを自分自身でも見たい」。力強くチャージを誓った。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)

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