茨城・日立処分場 県の洪水対策に懸念 反対派市民がシンポ

産廃処分場の計画を巡り開かれたシンポジウム=日立市若葉町

茨城県関与の新たな産業廃棄物最終処分場を同県日立市諏訪町の鉱山跡地に整備する計画を巡り、反対する市民によるシンポジウムが11日、同市若葉町の市民会館で開かれた。登壇者は、施設の洪水対策に関して「県は流域面積を過小評価している」と主張し、計画の見直しを訴えた。

シンポジウムは実行委が主催し、市民約40人が参加。数藤まち子委員長は冒頭、「処分場に関する問題点を多くの市民と考えたい」と呼びかけた。

茨城大名誉教授の鈴木鐸士さんは、台風13号による大雨の被害状況を報告。鈴木さんは埋め立て予定地で起きた土砂崩れの写真を示し、「上流に大きな降水域があり、谷間に集中した流れが処分場内に押し寄せたのが原因」と説明した。

その上で、県が計画する防災調整池について「容量不足」と指摘し「ここに廃棄物を埋めれば水で流されてしまう」と強調した。

また、県産業廃棄物最終処分場建設に反対する連絡会の赤津茂夫さんは、すり鉢状の池になっている埋め立て予定地について、「防災ダムの役割を果たしており、大雨の際も近くを流れる鮎川の浸水被害軽減につながった」と述べ、現状維持を求めた。

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