小学生がお菓子を盗みまくる! 日進市の一大イベント「お月見どろぼう」に密着 家族の分までお菓子を調達

子どもが「どろぼう」する一大イベント

「子どもが『どろぼう』をしても怒られない」という変わった風習があるのは、愛知県の尾張地方東部に位置する日進市です。日進市では中秋の名月にあわせた「お月見どろぼう」という風習があります。子どもが町中を巡ってお菓子などを「どろぼう」する一大イベントだとか!

子どもも大人も楽しめる「お月見どろぼう」

お月見どろぼうの特設コーナーが設置される

中秋の名月に行われるイベント「お月見どろぼう」。かつては全国的に行われていましたが、時代の流れとともにいつしか姿を消しました。江戸時代にお供え物の月見団子を子どもが盗んだことからはじまったといわれています。

そんな中、日進市や長久手市などのエリアでは、理由は不明ながら「お月見どろぼう」が加熱! 子どもだけでなく、大人も気合い十分です。中秋の名月の一大イベントとして盛り上がりを見せています。日進市では中秋の名月が近づくと、地元のスーパーに「お月見どろぼう」特設コーナーが登場するそう!

どろぼうスポット巡りへ!

くじ引きを用意する家も

中秋の名月になると、日進市の子どもは大忙し! カバンを持って家の前をはじめ、町中に準備された「どろぼう」スポットを巡ります。そして袋がいっぱいになるまで「どろぼう」を堪能。

どろぼうスポットに置かれるのはお菓子だけに留まりません。どろぼうに楽しんでもらおうと、くじ引きを用意する家も。お店では自慢の商品を用意して子どもにどんどん「どろぼう」してもらうそうです。

家族の分までお菓子をゲットしたい

みんなの分もゲットする百合子ちゃん

そんな「お月見どろぼう」に挑戦するのが、小学2年生になる成井百合子ちゃん。日進市は小学生以下の子どもだけというルールのため、成長して参加できなくなった姉や、幼い弟の分までお菓子をゲットしたいと「お月見どろぼう」に挑みます。

これまでは母親と「お月見どろぼう」に回っていた百合子ちゃんですが、2023年は1人で行きたいと宣言します。そんな百合子ちゃんに妹思いの姉が「お月見どろぼうのおやくそく」を渡します。

お月見どろぼうのおやくそく

「おかしをもらうときは『お月見どろぼうです』とあいさつする」「家にかえるまでは、おかしを食べない」「5時までには帰る」。大切なことがいっぱい書かれたお約束。百合子ちゃんも出発前に指切りゲンマンでしっかりと誓いを立てます。

時間とともになくなるお菓子

大きなリュックサックをかかえて「はじめてのお月見どろぼう」に出発する百合子ちゃん。早く行かないと「どろぼう」できるお菓子がなくなってしまう。先を急ぎますが、ついつい町の中で見つけた変わったものが気になってしまいます。

どろぼうの行列ができる「碩善寺」

碩善寺

そんな百合子ちゃんが一番のお目当てにしていたのが「碩善寺(せきぜんじ)」。毎年豪華なお菓子やおもちゃがもらえる人気どろぼうスポット。2023年も「どろぼう」の行列がズラリと伸びています。百合子ちゃんが碩善寺で選んだのは、お菓子ではなく光るおもちゃです。

どの子のカバンもお菓子でパンパン!

かわいらしいお菓子も

その後、移動中に出会った子どもとカバンの中を見せ合いっこしますが、どの子のカバンもお菓子でパンパンに! 少し出遅れ気味の百合子ちゃんは、焦った様子で先を急ぎます。

だんだん日が傾いてくると、お菓子が売り切れになって空っぽになる場所も増加。午後5時までに帰ると約束をしていた百合子ちゃんですが、姉や弟のためにカバンをいっぱいにしたい気持ちが先に立ち、ついつい時間オーバーしてしまいました。

まるで宝探しのような笑顔あふれる行事

姉と弟で分け合って楽しむお菓子

約束の時間から遅れること20分、家に帰った百合子ちゃんが最初にしたことは「約束の時間を破ってごめんなさい」。それでもたくさん「どろぼう」してきたお菓子を姉弟で分け合うと、再び笑顔になりました。

宝探しのような楽しみもある日進市の「お月見どろぼう」、子どもはもちろん、大人たちも笑顔になれる素敵な行事です。

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