シダックス<4837>、MBOで株式を非公開化した後、オイシックス・ラ・大地<3182>の傘下に

シダックスの本社(東京・渋谷)

シダックスは10日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。創業家の資産管理会社の志太ホールディングス(HD、東京都千代田区)がTOB(株式公開買い付け)を行う。買付代金は最大約365億円。食材宅配大手でシダックス株の28.44%を所有する筆頭株主のオイシックス・ラ・大地はTOBに応じて全株式をいったん手放すが、TOB成立後に、志太HDに66%を出資し、創業家と共同でシダックスを運営する。主力の給食事業は原材料費の高騰や人手不足などで厳しい経営環境が続いており、オイシックスの傘下で事業の立て直しを進める。

買付価格は1株につき800円で、TOB公表前日の終値725円に10.34%のプレミアムを加えた。買付予定数は4565万6987株。下限は所有割合49.99%にあたる2739万2800株で、志太HD所有16.67%と合わせ66.66%となる水準に設定した。筆頭株主のオイシックスをはじめ、銀行系ファンドや創業家の関係者など13者が所有する合計45.22%の株式についてはTOBへの応募が決まっている。

シダックスはTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。買付期間は11月13日~12月25日の30営業日。決済の開始日は2024年1月5日。公開買付代理人は三田証券(復代理人はマネック証券)。

オイシックスは2022年10月に、国内投資ファンドのユニゾン・キャピタルからシダックス株を買い取り、筆頭株主になった。以降、食材とレシピがセットになったミールキットや完全調理品の活用による給食現場の生産性向上などを連携して進めてきた。今後さらに各種の施策を機動的に実行するためにはシダックスの非公開化が最も有効な手段と判断した。

TOB成立後、志太HDはオイシックスを引受先とする第三者割当増資を実施する。これにより、志太HDの出資構成をオイシックス66%、創業家34%とする。

シダックスは1960年に給食事業を目的に設立された富士食品工業(現シダックスコントラクトフードサービス)を前身とする。2001年に持ち株会社に移行した。1996年に株式を店頭登録し、2004年に東証ジャスダック市場に上場。2022年4月に東証スタンダード上場に移行した。2018年にカラオケ事業から撤退した。

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