【基礎知識】買っていたレーサーがフライングしたら賭けたお金はどうなる?『究極のボートレースガイドブック』

ボートレースの基礎知識

まず初めに〝ボートレース〟とはいったいどんなものなのか、初心者のあなたにもわかりやすく説明します。知れば知るほど、水上の格闘技・ボートレースの底知れない魅力へ引き込まれていくことでしょう。これであなたもレッツ!ボートレース!

買っていたレーサーがフライングしてもお金は返ってくるけれど……

スタートは時計でいう12の位置0秒と1マス1秒までにスタートラインを通過しないといけません。0秒より0.01秒でも早くスタートするとフライングになります。逆に1秒よりも0.01秒でも遅くスタートすると出遅れになります。このルールのことを「フライングスタート方式」といいます。

フライング・出遅れともに失格になって、そのレースでは欠場扱いになります。ただ、お客さんにはそのレーサーを購入した舟券分のお金は全て返ってきます。お客さんの立場からすると「お金が返ってくるなら問題なし!」とお思いでしょうが、レース場からすれば、いったん入った売り上げを返すということは利益が減るということにほかなりません。

なので、フライング・出遅れをした選手には罰則が与えられます。フライング・出遅れを1本(1回目)すると30日のレース出場停止期間が与えられます。通常、レーサーには1~2ヶ月先の斡旋(出場レースのスケジュール)が組まれているので、その決まっていたスケジュールをすべて消化したら出場停止の休み期間に入ります。

レーサーにとって出場停止とは無収入になるということですから、絶対に避けたいことですよね。ちなみにフライング・出遅れのペナルティは半年間(5/1~10/31、11/1~4/30)のなかで以下のように決まっています。

さらに1本目の30日休みになる前の間に2本目のフライング、出遅れをしてしまうと30日+60日=90日の休みになります。これが3本となると30日+60日+90日=180日で、半年間も無収入状態になってしまうのです。フライング・出遅れが、いかに重大な罰則なのかがわかると思います。

レーサーはフライングはしたくないけど、ギリギリの早いスタートは決めたい。しかし、すでにフライングを1本している選手は2本目を恐れてギリギリのスタートが難しくなるということになります。

【出典】『究極のボートレースガイドブック』著:西野精治

【書誌情報】
『究極のボートレースガイドブック』
著:西野精治

近年、コロナ禍の影響もあり公営ギャンブル市場は毎年のように売り上げを伸ばしています。スマートフォンの普及で手軽に参加できることもあり、今やバブル期の売り上げを上回る状況となっています。この公営競技の中でも最もファンや売り上げを伸ばしているのがボートレース(競艇)。公営ギャンブルと言えば中央競馬(JRA)を思い浮かべる人が多いはずです。たしかに昔から競馬ファンは多く、馬券の売り上げが全公営競技の中でダントツに大きかったのですが昨今は状況が変わりつつあります。ボートレースの人気は急上昇、舟券の売り上げは2兆4142億円(2022年度)と約3兆円の中央競馬に肩を並べるまでになっていて、新規のボートレースファンが増加していることを示しています。とはいえ、初心者にはどうやってボートレースを予想していいのかが分からないのも事実。最初は誕生日とか好きな番号、好きな色、カッコいい選手などの理由で舟券を買うのもありですが、ずっとそのレベルではボートレースを本当に楽しめているとは言えないでしょう。本書はその域を脱して「選手の実力」「有利なコース」「レース展開」「モーターやボートの性能の見極め」などを知ることによって、「自分でレースの予想、推理」ができるようになることを伝授する1冊です。著者の永島知洋氏は「ボートレース楽しむプロ」としてほぼ毎日のようにテレビ番組やYouTubeのレース配信番組でボートレースの面白さ、楽しみ方を身をもって示している人です。小難しいことは抜きに「興味はあるけど専門知識ゼロの人が、とりあえず舟券を予想できてレースを楽しめるようになる」をコンセプトに書き下ろした1冊です。

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