東京Vが磐田に得失点差で及ばずも3位浮上で昇格POへ! 途中投入の綱島悠斗が決勝点の大仕事【明治安田J2第42節】

12日、明治安田生命J2リーグ第42節の大宮アルディージャ(21位/39pt)vs東京ヴェルディ(4位/72pt)がNACK5スタジアム大宮で行われ、アウェイの東京Vが0-2で勝利した。

前節、栃木SCを相手に数的不利を撥ね返す会心の1-0の勝利を収め、ホーム最終戦を白星で飾るとともに自動昇格に望みをつないだ4位の東京V(得失点差+24)。

運命の最終節ではJ3自動降格圏内が確定した21位の大宮相手の勝利に加え、自動昇格圏に位置する2位の清水エスパルス(73pt、得失点差+44)、3位のジュビロ磐田(72pt、得失点差+29)が引き分け以下に終わることが16年ぶりのJ1昇格への条件となった。

人事を尽くして天命を待つ形となった城福浩監督率いるチームは、前節退場で出場停止の深澤大輝の代役に古巣対戦の山越康平を起用し、体調不良から回復したキャプテンの森田晃樹を復帰させた以外同じメンバーを継続。

一方、ホーム最終戦での勝利を期す大宮はこれが現役ラストマッチとなる44歳GK南雄太を約5カ月ぶりにスタメンで起用。また、より攻撃的な布陣で上位撃破を狙った。

開始6分に齋藤功佑が際どいミドルシュートを放って最初のチャンスを作り出した東京V。だが、以降は昇格が懸かった一戦という重圧か、ビルドアップでのイージーミスやディフェンスラインでのコミュニケーションミスも散見される難しい状況に。

すると、14分には大宮にビッグチャンス。左サイドの大澤朋也が浮き球で上げたクロスを大外でフリーの黒川淳史が頭で折り返す。これにゴール前の中野誠也が反応したが押し込むことができない。

時間の経過とともに少しずつ硬さが取れてきた東京Vは山越の左クロスから染野のダイビングヘッド、26分には左サイドのボックス付近で得た中原輝のFKに山越がドンピシャのヘッドで合わすが、いずれも枠を捉え切れない。

前半終盤にかけて試合は一進一退の攻防となるが、地力で勝るアウェイチームがより決定的な場面を創出。42分にはGKマテウスからのフィードを起点に齋藤、染野唯月の見事な連携で中央を完全に崩す。だが、ボックス内でGK南を左へのドリブルでかわした齋藤はシュートまで持ち込めず。切り替えて浮き球で上げたクロスに反応した染野のヘディングシュートもキャッチされた。

結局、ゴールレスで折り返した試合は後半も立ち上がりは拮抗。互いに幾度か際どいシーンを作り出す。そういったなか、先に動いた東京Vの采配が待望の先制点をもたらす。

63分、自陣でのボール奪取からロングカウンターを発動。中央をドリブルで持ち上がった途中出場の綱島悠斗が右サイドに展開し、ゴール前に入り込む。右の中原がポケットを取った森田につなぐと、森田からの丁寧な折り返しを綱島が右足でニアに蹴り込んだ。

城福采配的中で先手を奪った東京Vは、失点後から攻撃的なカードを切って前がかる大宮の攻撃を冷静に撥ね返しながら、より空いたスペースを効果的に使って2点目に迫る。

すると、78分には栃木戦勝利の立役者の左足が再び火を噴く。相手陣内右のハーフスペースでボールを受けた中原がそのままペナルティアーク付近まで運んで左足を振り抜くと、グラウンダーのシュートがゴール左下隅に突き刺さった。

この2点目で勝利に大きく近づいた東京Vは他会場の状況を考えれば、大量得点を奪う必要があったが、大きなリスクを負うことなく最後まで自分たちの戦いを貫いて勝ち点3奪取へのこだわりを見せる。後半最終盤は一矢報いたい大宮の攻勢に晒されたものの、リーグ最少失点の堅守は最後まで崩れず。

この結果、今季最終戦を勝利で終えた東京Vだが、今節勝利した磐田に得失点差で及ばず。それでも、清水を1ポイント差上回った結果、3位フィニッシュで昇格プレーオフに回る形となった。なお、昇格プレーオフ準決勝では6位のジェフユナイテッド千葉とホームで対戦することが決定した。

大宮アルディージャ 0-2 東京ヴェルディ
【東京V】
綱島悠斗(後18)
中原輝(後33)

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