こんにちは。内田友賀です。
マナーニの小学校での動物介在教育のなかで、稀に全校生徒を対象にしてほしいというご依頼があります。その場合は須﨑講師による講演と、犬について知って頂く簡単なデモンストレーションを行っています。
今日はその講演の中から、犬たちの「性格」を通して学ぶ、素敵なお話を紹介させていただきます。
「生まれ持った性格」に、優劣はない
講演では子どもたちに分かりやすいように、誰もが知っているお仕事犬を題材に「犬の性格(特性)」についてお話をしています。(あくまでも「性格を知る題材」ですので、実際の使役犬の仕事やトレーニングのお話ではありません)
盲導犬、警察犬、介助犬。
これらのお仕事犬について、どんな性格の犬を想像しますか? どんな仕事犬も「賢い」という共通のイメージでしょうか。
実は、これらの仕事において、とても大切なのが「適性」だと考えられています。
つまり、適性を見極める“人間の技術“と、それに応える“犬たちの能力”が合わさって、はじめて発揮されるものなのです。
そこで、子どもの気持ちに戻りながら、それぞれの仕事犬に求められる性格について考えてみたいと思います。
盲導犬
盲導犬は先を読みながら「危ないよ」と伝えて安全を守る役目ですので、慎重に判断をすることが大切です。もしも、何にでもチャレンジしたい好奇心旺盛な性格だと、ちょっと不安になってしてしまいませんか? 盲導犬は、ちょっと怖がりな性格が向いているのです。
警察犬
警察犬は、環境やタイミングに関わらず果敢に犯人に立ち向かっていく必要があります。そのため「ボク、ちょっと怖いから、先に行ってよ~」という控え目な子よりは、「よ~し、行くぜ~!」という好奇心旺盛でチャレンジングな子のほうが、きっとうまくいきます。
(これはガオーではなくて、ただのあくびですけどね。)
介助犬
一方、介助犬はどうでしょう。いつ飼い主さんが困っても助けられるように、ずっと飼い主さんのそばに寄り添っている必要があります。そのため、自立心が高く一人の時間を大切にしたい性格より、ストーカーのように付いて回りたい性格が、ぴったりです。
このように、「ちょっと怖がり」や「ストーカー気質」など、マイナスの評価をされやすい犬の性格も、見方を変えて、性格に適した役目を持つと、こんなに強みになりますし、犬自身もより潜在的な欲求が満たされると思うのです。
大切なのは「できることを生かすこと」
この講演で伝えているのは、単に「犬ってすごい」ということではありません。
私たち人間も同じで、誰にでも生まれ持った性格(特性)と、それを生かせる適性(環境)があり、そこに出会えることが大切だというメッセージを伝えさせて頂いています。
例えばクラスに足が速い友だちがいたり、成績が良いライバルがいたり。
それって大人になっても同じで、自分よりすごいと感じる人にたくさん出会うものです。そして、他人と比較してダメな自分に傷ついてしまうのです。
しかし、本当にすごいのは「足の速さ」や「優秀な頭脳」という事実ではなく、自分にとって適切な環境で能力を発揮できることだと思います。
そして、誰にでも等しく素晴らしい能力は備わっています。
ある切り口から見たら欠点でも、どこかから見たら必ず長所になる。
大切なのは、自分の能力を知って表現する勇気なのです。
そのために、私たち大人が積極的に犬や子どもと関わり、それを引き出して評価していくことが大切です。
まずは私たち一人ひとりが、自分の適性を知り、表現していくことから始めたいですね。
■講師紹介
須﨑 大 ヒューマン・ドッグ トレーナー
DOGSHIP 合同会社 代表社員 https://dogship.com/
一般社団法人マナーニ 理事 https://manani.jp/
一般社団法人 日本アニマルウェルネス協会 ホリスティックケアカウンセラー 講師 https://www.hcced.jp/
一般社団法人日本ペット歯磨き普及協会 理事 https://jpd-a.or.jp/
日本道徳教育学会 会員 http://doutoku-gakkai.sakura.ne.jp/
今日は「犬」という話から少しそれてしまいましたが、犬たちが気づかせてくれた大切なことをお話しさせて頂きました。
天国の愛犬への感謝を胸に。
Lots of love.