ヴィッセル神戸、浦和に競り勝つ 次節にも初優勝の可能性 エース大迫、後半ロスタイムに殊勲のゴール

ヴィッセル神戸のエンブレム

 明治安田J1リーグ第32節最終日の12日、ヴィッセル神戸は敵地の埼玉スタジアム(さいたま市)で浦和レッズと対戦し、2-1で競り勝った。神戸は通算19勝8分け5敗の勝ち点65とし、次節にも初優勝が決まる状況をつくった。

 条件は24日に試合がある横浜F・マリノスが引き分け以下に終わり、神戸が25日のホーム名古屋グランパス戦に勝てば、初の戴冠となる。

 神戸はこの日、2試合連続で欠場した山口に代わり、酒井がボランチで先発。ハイプレスが機能して敵陣で長く過ごしたが、CKを含めてゴール前の精度を欠き、得点できないまま前半を終えた。

 先に試合を行っていた横浜Mが勝ち、神戸は負ければ首位陥落というところだったが、後半27分、右FKからボールを保持すると、初瀬の右クロスをファーサイドの大迫が頭で中央に戻し、最後はDFトゥーレル。ヘディングシュートをねじ込み、先制に成功した。

 後半ロスタイムに同点とされたが、5分後、逆転優勝の可能性を残すため、GK西川をゴール前に上げた浦和のFKをGK前川がキャッチ。大迫がいる前線に送ると、エースが無人のゴールに決めて劇的な勝利を収めた。

 神戸は残すところ2試合で、25日の名古屋戦はノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)でのホーム最終戦。午後2時にキックオフを迎える。

 【ヴィッセル神戸】川崎製鉄水島サッカー部が母体。クラブ創設後の初練習を予定した1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生した。96年に日本フットボールリーグ(JFL)2位に入り、Jリーグ昇格を決めた。成績不振に伴う経営難となった2004年、楽天を率いる三木谷浩史氏の個人資産管理会社が営業権を取得。15年に楽天グループ傘下に。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタら実力者の補強を積極的に進め、20年元日にクラブ初タイトルとなる天皇杯を獲得。昨季はリーグ13位に低迷した。

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