思い切って走り込んだ。前半20分、MF諸墨のふわりと浮かせたクロスを横目に「(FW)山上の頭上に来てそらしてくれると思った。公式戦初ゴール」と、ボランチ荻原は身を投げ出すように右足で決勝弾をたたきこんだ。
直前の時間帯にはあわや失点か、というシーンが続いた。「良い時間が来るから、苦しい時には守ろうと。みんなで耐えた結果、もぎ取れた」と荻原。豊富な運動量で攻守に顔を出し続け、佐藤輝勝監督も「(荻原が)2人いるんじゃないかと思うくらい走ってくれて、きょうは荻原のおかげ」と手放しでたたえた。
昨年の全国選手権大会は、直前で膝に全治3カ月の大けがをしてサポートメンバーに回った。今も熾烈なボランチ争いの最中だが、「球際の部分や組み立てで違いを見せたい」。全国でもハードワークで悔しさを晴らす。