宇喜多家 大河ドラマ化へPR 岡山で官民連携組織が設立総会

宇喜多家の大河ドラマ化に向け、機運を醸成していくことを決めた官民連携組織の設立総会

 城下町・岡山の礎を築いた宇喜多家を全国に発信する官民連携組織「戦国 宇喜多家を顕彰する会」の設立総会が12日、岡山市北区駅元町の岡山コンベンションセンターで開かれ、NHKの大河ドラマ化を目指して活動することを決めた。総会後のトークイベントでは、大森雅夫市長らが「宇喜多家を再評価するチャンスだ」と今後の展望を語り合った。

 市と岡山商工会議所、おかやま観光コンベンション協会、「宇喜多家史談会」といった顕彰団体、戦国武将・宇喜多直家が生まれたとされる砥石城跡がある瀬戸内市、直家の子・秀家の終焉(しゅうえん)の地として知られる東京・八丈島などから約30人が出席。会長の大森市長が「市民の誇りを醸成するとともに岡山をもっと発信するきっかけにしよう」と述べ、設立趣意を承認した。

 計画では大河ドラマ化に向けた要望活動や地元での機運醸成、全国に向けたPR活動を行い、歴史講座の開催や情報コンテンツの制作などを想定している。チーフアドバイザーに岡山市出身の歴史学者磯田道史さん、アドバイザーには直木賞作家で直家の生涯を描いた歴史小説「涅槃(ねはん)」の著者垣根涼介さんら9人が就任した。

 トークイベントは大森市長と磯田さん、放送中の大河ドラマ「どうする家康」の時代考証を担当する歴史学者平山優さんが登壇。大森市長は「直家は水運や経済を重視し、岡山の基礎をつくった英傑。再評価する必要がある」とアピールした。

 磯田さんは、秀家について「近年は歴史家による研究が進んでいる。大河ドラマの主役になるのに良いタイミングだ」と強調。平山さんは「大河ドラマ誘致には地元の盛り上がりが不可欠。皆さんが自分事として捉え、情熱を持って活動してほしい」と呼びかけた。岡山県内外の約700人が聴いた。

官民連携組織の設立記念トークイベントに登壇し、意見を交わす(左から)大森市長、磯田さん、平山さん

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