全国育樹祭、茨城・水戸で式典 秋篠宮ご夫妻出席 「森林守り後世に」 新しい林業、茨城から

全国育樹祭の式典で行われた緑の贈呈=12日午前、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナ

第46回全国育樹祭の式典は12日、秋篠宮ご夫妻が出席され、茨城県水戸市で開催された。秋篠宮さまは「豊かな森林を維持し、健全な姿で後世に引き継いでいくことは私たちに課せられた大切な務め。こうした活動が今後も多くの人に支えられ、一層発展することを期待します」とあいさつした。茨城県で目指す新しい林業について「茨城から全国へ発信されることを祈念します」と期待を寄せた。

式典はアダストリアみとアリーナで開かれ、全国の林業関係者ら約2千人が参加した。

秋篠宮さまは、1934年に茨城県で全国植樹祭の前身となる「愛林日」記念植樹の第1回大会が開かれた歴史に触れ、「全国植樹祭や全国育樹祭へ引き継がれていることに深い感慨を覚えます」と思いを寄せた。

茨城県で取り組む先端技術を活用したスマート林業の推進に触れ、「未来につながる新しい林業の姿が、茨城の地から全国へ発信されることを祈念します」と述べた。

長年にわたって緑化運動に取り組んできた個人や団体が表彰され、笑顔で拍手を送られた。

大井川和彦知事は「将来にわたり、森林づくりの輪が茨城県から全国へ、未来を担う子どもたちへ広がることを願う」と期待。石井邦一県議会議長は「100年先を見据えた豊かな森林づくりの契機となることを祈りたい」とあいさつした。

大会宣言として「国民参加の森林づくりを積極的に推進」「森林整備や木材利用の重要性を理解し、循環型社会の実現を目指す」「森林、林業や木材産業の知識と技術習得に努め、緑豊かなふるさとの未来を切り開く」-の3項目を発表した。

秋篠宮ご夫妻は会場で、式典運営を支えた緑の少年団にも声をかけられた。水戸市立双葉台小の池田冴良さん(10)に「興味があることは何ですか」と質問、池田さんは「植物が好きなので、これからも頑張ります」と答えた。水戸市立梅が丘小の丸田昭直君(11)には「大役お疲れさまでした」とねぎらった。

式典の後、同県つくば市の森林総合研究所を視察。シラカバなどを発酵させて造る「木の酒」の研究について説明を受けた。

式典では同県常総市出身の俳優、羽田美智子さんが茨城県林業や県産材などを紹介。24年に育樹祭を開く福井県の杉本達治知事があいさつした。最後に茨城県北茨城市出身のアーティスト、石井竜也さんが歌声を披露。県立水戸二高生らによるダンスとともに会場を彩った。

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