【真鶴町長選】元横須賀市議の小林伸行氏が初当選 町役場出身者以外は1956年以降で初

真鶴町長選で初当選を果たし支援者と万歳する小林氏=12日午後10時10分ごろ、同町内の事務所

 町長の解職請求(リコール)成立に伴う真鶴町長選は12日、投開票され、無所属新人で元横須賀市議の小林伸行氏(48)が、元町職員の細田政広氏(64)、著述業の世古口裕司氏(56)、会社社長のAIメイヤー氏(50)、医師の竹下英里氏(55)の4人を破り初当選した。町外出身で町役場経験者以外の町長誕生は1956年の合併以降で初めて。投票率は62.16%で前回を0.04ポイント下回った。

 松本一彦前町長による不正やリコール運動で町民間の対立が深刻化。小林氏は「過去の争いは水に流し、外からの風で新しい真鶴をつくる」として、60年以上も続く町役場出身の町長による町政からの刷新を訴えた。

 組織などの後ろ盾はなかったが、独自のワークショップ形式のミニ集会や精力的な地域回りで急速に支持を拡大。変革を求める有権者の受け皿となり、組織力の劣勢をくつがえした。

 町職員を40年以上勤めた細田氏は豊富な行政手腕から停滞する行政機能の立て直しを訴え、リコール推進派や町議会の大多数、地元経済団体なども相乗りで支援したが及ばなかった。世古口、竹下、AIメイヤー氏も支持が広がらなかった。

 町長選を巡っては松本前町長が選挙人名簿を自らの選挙に不正利用したとして、今年9月の住民投票でリコールが成立し失職した。

 当日有権者数は6083人(男2831人、女3252人)。

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