カターレ富山、痛恨の敗戦 2位浮上のチャンス逃す

富山-奈良 前半、ドリブルで駆け上がるマテウスレイリア(中央)=県総合運動公園陸上競技場

 明治安田J3第35節は12日、各地で6試合が行われ、カターレ富山はホームの県総合運動公園陸上競技場で奈良に0-2で敗れ、J2昇格圏内の2位鹿児島との勝ち点差2を縮められなかった。通算17勝5分け13敗の勝ち点56で順位は3位のまま。今季は残り3戦となった。

 富山は奈良の堅守を最後まで攻略できず、勝てば2位に浮上できるチャンスを逃した。前半42分、センターライン付近でのパスの判断ミスでボールを失うと、前に出ていたGKの頭上を越すロングシュートを決められ、後半11分には速攻から2点目を入れられた。

 失点後は攻撃的な選手を投入して組織的な奈良の守備を崩そうとしたが、攻撃のアイデアを欠き、ゴールにはつながらなかった。

 富山の次戦は19日、青森県のプライフーズスタジアムで11位の八戸と戦う。2位の鹿児島は9位の今治と敵地で対戦する。

カターレ、最後まで堅守崩せず

 勝てばJ2昇格圏内の2位に浮上する大一番。富山は2失点で完敗し、好機をふいにした。冷たい雨の中、勝利を信じて大声援を送った2853人のサポーターの期待は打ち砕かれた。

 試合は富山がペースを握ったかに見えたが、一瞬の隙を突かれた。前半42分、最終ラインから中盤への不用意なパスを狙われ、技ありのロングシュートを決められた。気持ちを切り替えたはずの後半、立ち上がりに追加点を献上した。

 ここ数試合で磨きがかかった攻撃力も発揮できなかった。コンパクトに守る奈良に対して得意の速攻やセットプレーが通用せず、ミドルシュートを放つ力強さも欠いた。厚みのある攻撃を繰り出せないまま無情にも終了の笛が鳴った。小田切道治監督は「決め切れないのが今の力」と認めるしかなかった。

 残り3戦で、昇格争いは依然として追う立場だ。「1年やってきたサッカーを信じて体現できれば3連勝できる」と自らに言い聞かせるFW吉平。サポーターを失望させるゲームは今回で最後にしなければならない。

富山 0 - 2 奈良
0 (前半) 1 
0 (後半) 1

▽得点
【奈】42分 酒井
   56分 嫁阪
▽交代
【富】46分 アルトゥール シルバ→今瀬
   62分 松岡→吉平
   62分 高橋→大野
   76分 脇本→椎名
【奈】64分 森田→堀内
   64分 嫁阪→桑島
   84分 山本→寺島
   84分 酒井→西田
▽警告
【奈】32分 森田
▽シュート
【富】7【奈】5
▽観衆 2853人

【富山】
GK 21 田川 知樹
DF 25 安光 将作
DF 3 大畑 隆也
DF 2 脇本 晃成
DF 20 大山 武蔵
MF 30 アルトゥール シルバ
MF 16 末木 裕也
MF 32 伊藤 拓巳
FW 39 高橋 駿太
FW 8 松岡 大智
FW 10 マテウス レイリア

控えメンバー
GK 42 平尾 駿輝
DF 4 神山 京右
DF 5 今瀬 淳也
MF 17 坪川 潤之
MF 22 椎名 伸志
FW 27 吉平 翼
FW 9 大野 耀平

【奈良】
GK 31 アルナウ
DF 22 生駒 稀生
DF 4 伊勢 渉
DF 5 鈴木 大誠
DF 11 加藤 徹也
MF 41 森田 凜
MF 14 中島 賢星
MF 10 山本 宗太朗
MF 39 嫁阪 翔太
FW 19 酒井 達磨
FW 29 浅川 隼人

控えメンバー
GK 15 岡田 慎司
DF 23 小谷 祐喜
DF 6 寺島 はるひ
MF 16 西田 恵
MF 17 可児 壮隆
MF 7 桑島 良汰
MF 8 堀内 颯人

富山-奈良 雨の中、大勢のサポーターの前で攻め上がる伊藤(中央)
富山-奈良 前半、クロスを上げる松岡(左)
富山-奈良 シュートを放つ吉平(中央左)
富山-奈良 後半、最後でボールを追いかける椎名(中央左)
富山-奈良 後半、ゴール前でシュートを阻まれるマテウスレイリア(中央)=12日、県総合運動公園陸上競技場(椎名哲平撮影)

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