芦屋小4いじめ、重大事態で対応遅れ 欠席日数基準超えも3カ月以上認定せず 市教委も2カ月間、市長に報告なし

芦屋市役所=芦屋市精道町

 兵庫県芦屋市立小学校に通っていた当時4年生の女児が他の児童からいじめを受けていた事案について、女児の欠席日数が国の「いじめ防止基本方針」で定められた基準を超えていたにもかかわらず、学校が3カ月以上、重大事態に認定していなかったことが分かった。また同方針では、認定後すみやかに市教育委員会から首長への報告を求めているが、約2カ月していなかった。

 同方針では、いじめの疑いで年間30日以上欠席した場合を重大事態に認定する目安としている。女児は2022年3月末までに約50日欠席したが、認定は同7月だった。女児はその後も欠席が増え、23年3月、転校を余儀なくされた。市教委は神戸新聞社の取材に「当事者の事情を考慮して重大事態の判断をしなかった。22年3月までにすべきだった」と説明した。

 また、同方針はいじめによる不登校の場合は認定後速やかに首長に報告するよう求めているが、市長(当時)への報告は約2カ月後の22年9月だった。市教委は「現場対応を優先する中で正式な事務手続きを怠ってしまった。反省している」とした。(村上貴浩)

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