最高賞は「99%、いつも曇り」 田辺・弁慶映画祭、瑚海みどり監督が栄冠

弁慶グランプリに選ばれ、表彰される瑚海みどり監督(中央)と出演した二階堂智さん(右端)=12日、和歌山県田辺市新屋敷町で

 第17回田辺・弁慶映画祭(実行委員会主催、紀伊民報など後援)コンペティション部門の表彰式が12日、和歌山県田辺市新屋敷町の紀南文化会館であった。最高賞の弁慶グランプリに、瑚海みどり監督の「99%、いつも曇り」が選ばれた。

 188作品の応募があり、入選した8作品は10、11日に上映された。「ジョゼと虎と魚たち」監督の犬童一心さんら5人の特別審査員や県内在住の市民審査員らが審査を担った。

 「99%―」は、女性の生きづらさを伝える瑚海監督の自伝的作品。グランプリのほか、観客賞、わいず倶楽部賞に加え、出演した瑚海監督と二階堂智さんの2人が俳優賞を受賞した。瑚海監督は川崎市出身、在住の51歳。グランプリ受賞作品の監督としては最高齢になるという。

 受賞あいさつで瑚海監督は時折、涙を流して「作品を作って評価されることが怖くて、ずっと逃げ回ってきた。真面目にやっていれば、ご褒美がもらえるんだなと思った」と話した。

 特別審査員長を務めたプログラムディレクターの掛尾良夫さんは「受賞作品と受賞しなかった作品の差はない。今回も楽しい映画祭だった」と振り返った。

 他の表彰は次の通り。

 キネマイスター賞=「ラストホール」(秋葉美希監督)▽フィルミネーション賞=「ロマンチック金銭感覚」(緑茶麻悠、佐伯龍蔵監督)▽映画.com賞=「ゴミ屑と花」(大黒友也監督)

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