民間空港で空自戦闘機が訓練 基地滑走路使用不能の想定

「自衛隊統合演習」の一環で、大分空港に着陸する航空自衛隊のF2戦闘機=13日午後

 陸海空3自衛隊と米軍の「自衛隊統合演習」の一環で、航空自衛隊の戦闘機が13日、大分県の大分空港と鹿児島県の徳之島空港で訓練を行った。基地の滑走路が使えない想定で、台湾や沖縄県・尖閣諸島を巡る有事を強く意識した内容だ。自衛隊は航空作戦の継続能力強化を急ぐが、なし崩し的な民間施設の利用拡大に地元では懸念も広がる。

 午後1時過ぎ、大分空港にF2戦闘機4機が着陸。給油し、午後3時ごろ飛び去った。徳之島空港では、F15戦闘機が着陸してすぐ離陸する「タッチアンドゴー」を実施。両県の市民団体などは訓練に反対し、立憲民主党鹿児島県連は「民間空港での訓練は近隣諸国を挑発し緊張関係を高める」と、中止を求めた。

 演習は10~20日の日程で、戦闘機の訓練は岡山市の岡山空港、鹿児島県の奄美空港でも行う。

 昨年末に閣議決定された安全保障関連3文書では、自衛隊による公共インフラの活用拡大が盛り込まれた。こうした方針を踏まえ、陸上自衛隊は今年10月、沖縄県・石垣島の新石垣空港で、輸送機V22オスプレイを使って訓練した。

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