政治家は引退後にどうキャリア形成する?引退のケーススタディとその後の違いとは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。

2023年11月11日に公開された動画のテーマは……菅直人元総理政界引退!政治家の引退とその後のキャリアは?

ゲストに元衆議院議員の豊田真由子氏をお招きし、政治家の引退後のキャリア形成について語っていただきました。

政治家引退の難しさとは?

【このトピックのポイント】
・政治家には自分の病気を明かせない「弱みを見せたら負け」という考え方がある
・自分が元気なうちに子どもに地盤を譲るのは上手な世襲のやり方
・国政の権力闘争に敗れて首長に転身するパターンは有権者にとってデメリットあり

細田博之前衆議院議長が死去

体調不調を理由に10月に衆議院議長を辞任した自民党の細田博之氏が11月10日に無くなりました。

国会議員在職中は細田派に所属していた豊田氏。「穏やかですごく優しい方。『俺が俺が』みたいな感じも全然なくて」と温和な細田氏の人柄に言及し「すごくお世話になった」

と当時を振り返りました。

セクハラ疑惑が取りざたされていたことについて豊田氏は高齢の男性政治家に見られる男性優位的な風潮に言及。「細田さんがどうという話ではなく、良くないけれどそういう風土がある」とコメントしました。

豊田氏「時代が変わっても、自分が生きてきた人生の経験とか理念とか道理ってそう簡単に変わらないんだなって、見てて思いました」

MC乙武洋匡「そういう価値観が変えられない人が、私たちが生きる社会のルールを作ってるのかと思うと、世代交代した方が良いんだろうなと思いますね」

また、MC乙武は細田氏が体調不良を自覚していたにもかかわらず、出馬への意欲を見せていた点に疑問を呈します。

これに対し豊田氏は本人の意思は不明としたうえで、政治家独特の「弱みを見せたら負け」という考え方があったのではないかと推測しました。

体調を崩してもなお、引退を決断できなかった細田氏。それに対し豊田氏は「国会議員の辞め方にはコツがある」と語ります。

菅直人元首相 政界引退を表明

立憲民主党の菅直人氏は11月5日、次期衆院選に立候補せず政界を引退することを表明しました。

もともと菅氏の東京18区は、自民党の福田かおる氏の対抗馬として女性候補を擁立することが以前から言われており、菅氏の引退表明そのものに豊田氏はそれほど驚きがない様子です。

ここで、国会議員の引退にはいくつかケースがあると豊田氏。1つは、自身の決断で引退するものと、やむなく引退させられてしまうパターンです。また、自身の決断で引退を決め、希望の後継に引き継げたとしても反旗を翻されてしまうこともあると豊田氏は説明します。

後継に離反されるケースについてMC乙武は「票を取ったのはその人なんだから、どうしようとその人の勝手では?」と疑問を投げかけます。

それに対し豊田氏は、政治家には引退しても自身の選挙区に対し「自分の領土、自分の民」という意識があると解説。自分の政党で自分に従う人に継いでもらいたいという思いがあるとし「共感はできないけど理解はできる」とコメントしました。

また、世襲であっても国会議員を辞めるタイミングは難しいと豊田氏は語ります。

豊田氏「上手だなと思うのは、自分が地元でも永田町でも力があるうちに子どもに譲るんですよね」

自分が地元で強い影響力があるうちに子どもに譲れば選挙では当選確実、さらに永田町でも自身の目を光らせ、子どもを政治家として育て上げることが可能とのこと。豊田氏は「それが一番円滑な世襲のやり方」と説明しました。

最近政治家を引退した・表明した方々

自民党の佐藤ゆかり氏は大阪府連立て直しのなかで、大阪11区支部長を事実上更迭。政治家引退を表明しました。

豊田氏「ご本人は続けておやりになりたかったんだと思いますよ」

対照的に、惜しまれつつもスパッと政治家を引退したのが松井一郎氏です。

MC乙武「維新に割と好感が持てるのは、あまり世襲しようとしてないところ。(中略)自民党との大きな違いかなというところを僕は好感を持ってます」

国会議員から首長に転身された方々

国会議員の中には首長に転身するケースもあります。豊田氏によるとその場合も2つのパターンに分かれるとのこと。

1つは永田町からも地元からも望まれて首長に転身するパターン。もう1つが権力闘争に敗れ再起をはかって首長に転身するパターンです。

前者の例として豊田氏が挙げたのは和歌山県知事の岸本周平氏。豊田氏は国会議員時代に関わりがあり、その能力と人格を絶賛しています。また、国民民主党出身でありながら自民党が推薦したことについても評価しました。

MC乙武「そういう意味では、国民民主ってブランディング下手だなと思ってて」

豊田氏「もったいない、良い方いっぱいいるんですよ」

また、豊田氏は党内の軋轢を理由に国会議員から首長に転身した場合、特に自民党ではさまざまなデメリットがあると説明します。

まず1つは選挙が保守分裂になり揉めること。当然、当選後も遺恨が残ります。また、国政とのコミュニケーションに不和が生じ、予算に難儀することも。

当選回数を重ねれば解決することもありますが、地元の有権者にとっては大きなマイナスになりかねません。豊田氏は「誰が知事になるかは地元の方にとっては結構重要なこと」とコメントしました。

動画本編はこちら!

国会議員引退のケーススタディ!うまくいった人、いかなかった人とは?

選挙ドットコムちゃんねるは毎週火曜日から日曜日の18時に公開!

ぜひ高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします!

© 選挙ドットコム株式会社