特産の“イセエビ”盗難が相次ぎ、漁師から怒りの声…土石流で被災の伊豆山で、復興を目指す中での被害(静岡・熱海市)

土石流災害で被災した熱海市伊豆山の港で、特産のイセエビが何者かに盗まれる被害が相次いでいます。ようやく例年通りの漁ができるようになった中で受けた被害に、漁師たちは憤っています。

熱海市伊豆山の港で水揚げされる特産のイセエビ。2021年の土石流災害で、港に大量の土砂が流れ込むなどの被害を受けましたが、2022年から水揚げを再開。2023年も9月に解禁され、ほぼ例年通りの漁ができるようになりました。

しかし、11日に港を訪れると…

(漁師 川口勝美さん)

「4つぶら下げてあって1つだけなくて、かごはあるがあげたら中身がなかった」

10月から、特産のイセエビが盗まれる被害が相次いでいるといいます。漁師の川口勝美さんは、出荷調整のため港に保管していたイセエビ、約5キロが何者かに盗まれたということです。

(漁師 川口勝美さん)

「あきらめるしかない。警察に被害届を出したけど捕まらないから、今まで何回もあって」

イセエビが盗まれる被害は11月に入ってからも…

(漁師 金子友一さん)

「この中に(イセエビを)生かしておく」

漁師の金子友一さんは、先週、約10キロのイセエビが盗まれました。

(漁師 金子友一さん)

「自分たちも生活があるし、エビ網は危険な網なんで、波の荒いとき、台風の中やるときも命がけでやる漁」

伊豆山港での被害額は、あわせて10万円を超えるということです。土石流からの復興を目指す中で起きたイセエビの“盗難”に、漁師たちは憤っています。

(伊豆山漁業会 松本早人 代表)

「地域の人たちに応援してもらい、やっと港が良くなった中、新たな問題が出てきた」「本当に許せない」

被害を受けた漁師は、警察に被害届を提出したほか、今後、警察と協力して港の見回りを強化するなど盗難防止対策を進めるということです。

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