ガザ、電力切れで新生児6人犠牲 イスラエル軍、侵攻強化

パレスチナ自治区ガザのシファ病院で、停電後に保育器からベッドに移された新生児=12日(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】国連は12日までに、イスラエル軍が地上侵攻を強めるパレスチナ自治区ガザ北部で複数の病院が直接攻撃されたと明らかにした。ガザ保健当局などは12日までに、地区最大級のシファ病院とアルクッズ病院が電力切れで稼働停止に陥ったと発表した。中東メディアは13日、ガザ保健当局者の話として、シファ病院では電力切れにより新生児6人が死亡したと伝えた。

 病院への攻撃は国際人道法違反。イスラエル軍はシファ病院地下にイスラム組織ハマスの司令部があるとみて攻勢を強めている。世界保健機関(WHO)は、シファ病院には患者や医療従事者、避難民ら計2千人以上が残留していると明らかにした。

 ガザ保健当局によると、シファ病院では電力切れにより新生児を含む計32人が死亡し、保育器の新生児約30人も危険な状態。周辺に軍が展開し、患者や医療従事者が屋外に出られなくなった。

 イスラエル軍報道官は12日、病院からの新生児らの移送をハマスが妨げていると主張した。また、ハマスがシファ病院への燃料300リットルの搬入を拒否したとも主張したが、ハマスは否定した。

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