代走はピノ。ユナイテッドAS、クインのゴールド昇格にともない2024年耐久ラインアップを変更

 ユナイテッド・オートスポーツは、FIA国際自動車連盟が公開しているドライバー・レーティングリストの中で、アレックス・クインのランクが“ゴールド”に変更されたことを受け、新たにニコ・ピノと2024年シーズンの契約を交わした。

 チリ出身の“シルバー”ドライバーであるピノは、ユナイテッドのフルシーズン・ドライバーであるベン・キーティングとベン・ハンリーとともに、デイトナ24時間やセブリング12時間などの長距離レースに限り、来季のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップに参戦することとなった。

 ピノにシートを譲るかたちとなったクインは、今シーズンPR1/マティアセン・モータースポーツでキーティングとポール・ループ・シャタンのペアをサポートした後、ユナイテッドに移籍。同チームのミシュラン・エンデュランス・カップドライバー(第3ドライバー)を務める契約を交わしていた

 しかし最近の年次ドライバーレーティングの見直しによって、クインはシルバーからゴールドに再分類された。これによりザク・ブラウンが共同オーナーを務めるチームは、ドライバーラインアップを組み直す必要に迫られることに。

 IMSAのスポーツレギュレーションを確認すると、LMP2チームは開幕戦のデイトナ24時間でゴールドドライバーを2名起用することができるが、その他のエンデュランス・カップ・イベントではプラチナ、またはゴールドドライバーを1名しか起用することができない。ハンリーはゴールド、キーティングはこのカテゴリーに必須のブロンズドライバーだ。

 シルバー・ステータスをもう1年保持するピノは、ショーン・クリーチ・モータースポーツからLMP3クラスに参戦し、デイトナとロード・アメリカでポールポジションを獲得したあと、来年ウェザーテック・スポーツカー選手権LMP2クラスにデビューする予定だ。

 19歳の彼はAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズで、すでにLMP2マシンの経験があり、それぞれARCブラティスラバとデュケーヌ・チームでオレカ07・ギブソンをドライブしている。

「ユナイテッド・オートスポーツは、モータースポーツ界で歴史と名声のあるチームであり、僕のキャリアを前進させるのに最適な場所であることは間違いない」とピノは語った。

「ベン・キーティングやベン・ハンリーと一緒に、僕たちはコンスタントに上位争いができると確信している。シーズン最初のレースであるデイトナ24時間レースの準備のために、チームと仕事を始めるのが待ちきれないよ」

 ユナイテッド・オートスポーツのCEOであるリチャード・ディーンは、「ニコ(・ピノ)はここ数シーズン、IMSAとELMSの両方で傑出したドライバーのひとりだった」と付け加えた。

「彼はすでに多くの成功を収め、さらに多くの勝利を手にする可能性を秘めた若手ドライバーだ。そんな彼を、来年IMSAにおける最初のフルシーズンを過ごすユナイテッド・オートスポーツで起用できることを嬉しく思っている」

ユナイテッド・オートスポーツの23号車オレカ07・ギブソン 2023年WEC第7戦バーレーン8時間レース

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