猫の「声」がいつもと違うときに考えられる原因7つ これって病気になった証拠?

声がおかしいときに考えられる原因7つ

ふだんは透き通った声で鳴いている猫の声がなんだかいつもと違う。猫の声が変わってしまう原因には以下のようなものがあります。

  • 1.鳴きすぎ、喉の乾燥
  • 2.発情期
  • 3.猫風邪(咽頭炎など)
  • 4.下部尿路疾患
  • 5.高齢猫に多い疾病(認知症甲状腺機能亢進症など)
  • 6.ストレス(分離不安症など)
  • 7.外傷などによる痛み

これらは、声だけでなく鳴き方に違いが見られるため、いつもと声が違うときには注意する必要があります。

声や鳴き方によっては、健康には問題がないケースと病院での治療が必要なケースがありますので、次の項で詳しく見ていきましょう。

猫の「鳴き声別」解説

猫の声にはさまざまな種類があり、状況によって発する声や鳴き方が異なります。

かすれ声、がらがら声

寝起きや鳴きすぎたあとに、鳴き声がかすれることがあります。寝ている間は唾液の分泌が止まるため、口やのどが乾燥しすぎるか、起きたばかりで声帯などの筋肉が正常に動かないことがあるためです。

時間が経てばもとのように声が出るようになりますので、あまり心配はいりません。ただし、かすれ声やがらがら声は、猫風邪などから炎症を起こしているときにも表れます。

赤ちゃんのような鳴き声

雌猫の場合、発情期には、かなり大きな声で何時間も鳴き続けることがあります。人間の赤ちゃんが泣くような声で、お腹の底から出るような声が特徴です。

過去に発情期を迎えたことのある猫は、不妊手術をしていても繁殖期シーズンになると発情していないのに大きな声で鳴くことがあります。個体差はありますが、年齢とともに治まっていくのが普通です。

低音でこもったような声

体に違和感や痛みがあると、痛みを堪えるような低音で「アォ〜」「オゥ〜」と辛そうな声をあげることがあります。

膀胱炎などの排尿痛、関節痛や骨折、腹痛などのさまざまな違和感の可能性が考えられ、普段とは異なる動きをする際に、このような鳴き方をするときには要注意です。

荒々しく太い声

何かを必死で伝えたがるときや、攻撃的になっているときなどは荒々しく太い声で鳴き続けることがあります。また、ストレスでもかなり大きな声で鳴きわめくことがあります。分離不安症のある猫も、不安感が強くなると「アオ〜ン、アオ〜ン」と繰り返す場合もあります。

猫の鳴き方は、実際の音声で聞いても違いがあるほど個体差があります。機嫌がよくて鳴いているだけなのか、病気やケガなどの不都合があって鳴いているのかは、鳴き声以外の猫の様子も参考にする必要があります。症状別に見てみましょう。

こんな症状もあれば要注意!観察のポイント

猫の鳴き声だけで病気かどうかを判断するのは困難ですが、声の変化と同時にほかの症状や行動が見られた場合は、病気の疑いもあります。声を発する状況や全体的な様子もチェックしてみましょう。

猫風邪

かすれ声やガラガラ声がもとに戻らず、鼻水やくしゃみ、目やに、発熱、食欲低下などが見られたら、猫風邪の可能性があります。免疫力が落ちているとぶり返したり、悪化や慢性化の恐れがあるため、治療が必要です。

下部尿路疾患

結石や膀胱炎などがあると、排尿時の鳴き声、何度もトイレへ行き来する、あるいはトイレ以外での粗相、血尿などが見られることもあります。トイレに行くたびに鳴くようなときは、早めに動物病院を受診してください。

甲状腺機能亢進症

大きな声で鳴く、夜鳴きをする、興奮、たくさん食べても痩せる、嘔吐・下痢、多飲多尿が見られます。初期症状は活動量が増えて食欲もあることから元気に見えることもありますが、10歳以降の高齢猫は要注意です。

認知症

性格の変化、大声で鳴く、家の中を徘徊、トイレの失敗、物にぶつかる、食欲低下、無気力などが出てきます。高齢になると出会う可能性が高まります。ほかの疾患との鑑別が大切です。

分離不安症

止まらない鳴き声やうめき声、トイレ以外での排泄、過剰な毛づくろい、しつように甘える。噛んで自傷行為をしてしまうケースもあり、投薬治療が必要となることもあります。

外傷などによる痛み

食べるとき、トイレのとき、段差の上り下りなど、ある特定の動きをしたときに鳴き声をあげる場合、どこかに痛みを抱えている可能性があります。口内炎などで強い痛みがあるときには食事や飲水時に「ギャッ!」と突発的に叫ぶこともあります。

まとめ

猫の声が違うときには、ほかにも変わった様子がないかを観察することが大切です。

しばらくすればもとに戻るような寝起きのかすれ声は、あまり心配しなくても大丈夫です。部屋の湿度を調節してあげるとよいかもしれません。

一方、高齢猫がなりやすい認知症や甲状腺機能亢進症は、「もしや…」と早期発見できるかがポイントになります。早くに治療を開始することで、症状の進行を遅らせて寿命を伸ばせる可能性が高くなるためです。

また、猫風邪や下部尿路疾患は若い猫でもなりやすい病気です。特に尿路結石の痛みで鳴くときは、命の危険もあるため早期治療が望まれます。

もし、愛猫の声に異常を感じたら、そのほかの行動やしぐさを注意深くチェックして動物病院で相談するようにしましょう。

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