【動画】ガザ:極限状態の病院からの声「電気がなく保育器が止まり、赤ちゃんが亡くなった」

電気も水も食料もない。周囲では攻撃の煙が上がっている──。極限状態にある、パレスチナ・ガザ地区のシファ病院。地域最大の病院で、多くの市民の避難場所でもある。

現場にいる国境なき医師団(MSF)の外科医、ムハンマド・オベイドが深刻な状況を伝える(2023年11月11日録音)。MSFはこの後、病院のスタッフと連絡が取れていない(13日現在)。

シファ病院からの報告──外科医 ムハンマド・オベイド

「状況は極めて深刻です。ネットはつながりません。時々つながるのは電話だけです。 ここは病院の4階ですが、スナイパーがいます。4人の患者が院内で撃たれました。1人は首を撃たれました。手足がまひしています。別の人は腹部を撃たれました。 病院を出た人の中には、南部を目指す人もいます。そのような家族が爆撃に遭っています。 シファ病院では今日の朝から、電気も水も食べ物もありません。私たちは限界です。 入院中の赤ちゃんが2人亡くなりました。電気が止まり、保育器を動かせないからです。集中治療室にいた患者さんも、人工呼吸器が止まって亡くなりました。電気が来ないからです。 病院の周りは煙が上がっています。病院の周囲は攻撃を受けました。何度もです。 お伝えしたように、状況はかなり悪いです。私たちは今、取り残されています。誰も聞いてくれません。 患者が避難できるよう、保証してほしいのです。入院患者は600人近くいます。皆が医療と避難を必要としています。

新生児の避難は特に問題です。37人から40人の早産児がいるのです。集中治療室には17人の患者がいて。手術後の入院患者も600人ほどいます。皆が医療を必要としています。 状況は非常に悪いです。助けが必要です。誰も聞いてくれません」

MSFは、病院への攻撃の停止と即時停戦を改めて求める。 医療施設、医療スタッフ、そして患者は保護され、病院を出たい人の安全な通行が確保されなくてはならない。

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