愛犬が『老犬』になってきているサイン5選 気付きにくい仕草や行動に「泣きそう」「一日を大切に過ごしたい」

愛犬が「老犬」になってきているサイン

今回は、犬が「老犬」になってきているサインをご紹介します。

7歳~10歳頃のシニア期に入る愛犬に次のような仕草や行動が見られたら、それは「老い」のサインである可能性があります。犬の状態に合わせて、必要なケアを行うようにしましょう。

1.名前や音への反応が鈍くなる

犬は老犬になってくると、飼い主に名前を呼ばれても反応しなくなることがあります。これは加齢によって聴力が落ち、飼い主の声が聞こえにくくなっているためです。今まで反応していた物音にも無反応になることが多いでしょう。

耳が遠くなった犬は、急に体に触れられると驚いて噛みついてしまうこともあります。そのため、愛犬の聴力が低下している様子があれば、撫でる前に合図を送ってあげるようにしてください。

2.物にぶつかるようになる

模様替えをした訳でもないのに、愛犬が家具にぶつかるようになった…。これも犬の「老い」のサインだと考えられます。

視力が落ち、愛犬の目が白っぽく濁っているなら「白内障」という病気で物が見えづらくなっている可能性が高いです。

3.寝ていることが多くなった

もともと犬はよく寝る動物ですが、老犬になると寝ている時間がさらに増えるようになります。耳が遠くなると物音が聞こえにくくなるため眠りも深くなるのです。

若い時は飼い主が帰宅すると大喜びでお迎えに行っていた犬も、高齢になると寝たまま起きてこないことも珍しくありません。

4.歩くスピードがゆっくりになる

犬は老犬になってくると筋肉が衰えたり、関節に痛みがでるようになって歩くスピードがゆっくりになる傾向があります。

足腰が弱まることから、散歩に行きたがらなくなる犬も多いです。

5.抜け毛や白い毛が増える

人間が加齢で抜け毛や白髪に悩むように、犬も老犬になると抜け毛や白い毛が増えるようになります。特に、顔の毛に白い毛が混じったり、顔全体が白っぽくなることが多いです。

もともと白い毛色の犬も、年を取ると毛に艶がなくなってパサつきが目立つようになりますし、若い時はフサフサした豊かな毛をしていた犬も毛量が減り、場合によってはハゲてしまうこともあります。

愛犬に「老犬」のサインが見られた際に飼い主ができること

シニア期に入った愛犬に「老犬」のサインが見られるようになったら、次のことを意識して行いましょう。

  • 栄養バランスの取れた食事
  • 足腰に優しい環境づくり
  • 体力に合った運動
  • マッサージ

バランスの取れた食事は犬が何歳でも必要ですが、特に老犬には認知症予防のためのDHAやビタミン、関節のためのグルコサミンやカルシウムが豊富に入った食事を与えるのがオススメです。

滑りやすいフローリングには絨毯などを敷き、ソファーにはスロープや階段を設置して足腰に負担がかからないような環境を整えましょう。愛犬の視力が低下しているなら、ぶつからないように家具の配置も考慮してください。

また、愛犬が年を取ったからといって散歩に連れて行かないのはNGです。運動をせずに一日中寝てばかりいる状態は、筋肉の衰えや認知症の原因となります。愛犬のペースを見ながら散歩に行くなどで、体にも脳にも良い刺激を与えてください。

また、もし関節に痛みがありそうならマッサージで血行を良くしてあげると、愛犬もきっと喜んでくれるはずです。

まとめ

老犬には若いころと比べて、さまざまな変化が起きるようになります。

日頃から注意深く愛犬の様子を観察していれば、些細な仕草や行動からその変化を察知することができるはずです。

愛犬に「老い」を感じるのはとても切ないことではありますが、できるだけ健康的に長生きしてもらえるように、飼い主として適切なケアやサポートをしてあげましょう。

(獣医師監修:平松育子)

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