<現地取材>福山シティが2勝1分で地域CL1次ラウンド突破!福山出身MF曽我大地の先制弾で弘前と1-1のドロー決着!

全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2023の1次ラウンド第3試合が12日に全国各地で行われ、グループB宮城県会場で開催された最終戦は福山シティがブランデュー弘前に1-1で引き分け、2勝1分けの土つかずでグループ首位突破を決めた。

気温8.4度と強風が吹く中で行われた試合は、寒さに負けない熱気を帯びていた。

素早い攻守の切り替わりと激しいプレッシングで攻め立てる福山と強力なサイドアタックで福山ゴールに迫る弘前という構図となった一戦は、前半お互い譲らず互角の展開となった。

先に試合を動かしたチームは福山だった。後半6分に相手のクリアボールに反応した福山出身MF曽我大地が豪快に右足を振り抜き、鋭いループシュートでゴールネットを揺らした。

歓喜の輪を作った福山だったが、負けじと弘前は猛攻をしかける。同41分にMF板橋幸大がカウンターから左足で同点弾を奪って1-1の振り出しとなった。そのままスコアは動かず、福山と弘前はドロー決着となった。

福山は最終成績2勝1分で1次ラウンド突破を決めた。3日連続の試合と強度が非常に高いスケジュールの中で、素早い攻守の切り替えと相手の攻撃の芽を摘む連動したプレッシングを高い質でこなした。過去にアルビレックス新潟、レノファ山口、ヴァンフォーレ甲府を率いた上野展裕監督が今季から就任。指揮官の手腕もあり、チームは関東勢以外で唯一決勝ラウンドへと駒を進めた。

上野監督は「最後は勝ちたかったんですけどね(苦笑)。でも昨年悔しい思いをして、予選リーグを突破できませんでしたので、今回突破できたことは良かったと思います」と一次ラウンド突破を喜んでいた。

決勝ラウンドは栃木シティ、ジョイフル本田つくばFC、VONDS市原FCと強豪との連戦が待っている。「みんなでプレスを頑張って、そこからカウンターに持っていったり、繋ごうとしているんですけど、まだまだ進化の途中です。粘って、粘って全力を尽くしてJFLに上がりたいと思っています」と意気込んだ。

福山出身のキャプテンが先制弾!

この日芸術的なループ弾を決めた曽我は「クロスが入ったタイミングで『クリアがここら辺に来るだろうな』と、相手のセンターバックを見たときに思った。そこを予測したらいいところにクリアボールが来たので、ファーストタッチがうまくいけばうまく打てるかなと。思い切って振った結果がゴールにつながったと思ってます」と笑みを浮かべた。

チーム史上初の決勝ラウンドに駒を進めたが、曽我に慢心は一切ない。「条件的には上がれるスコアではあったんですけど、福山シティの選手はみんな、スタッフも含めてドローというスコアには満足していないです。勝ち切るところが決勝ラウンドも大事になってくると思う。もう1回福山に帰って、またそこを徹底していきたいと思っています」と気を引き締めていた。

ガイナーレ鳥取で4シーズンプレーした元Jリーガーの曽我は福山市で生まれ育った。鳥取退団後はFC TIAMO枚方を経て、2020年に地元クラブへ加入した。今季で4年目の曽我は地元クラブのJリーグ入りを目指している。

「地元福山市にJリーグチームをということが、僕の1番の思いです。そこを土台に置きつつ、今年はチャンスなのでより集中してやっていけたらと思っています」

鳥取のアカデミーからトップチームに昇格して、Jリーグを経験した曽我は自身の経験をチームに還元している。プロを目指すクラブだからこそ、元Jリーガーとしての経験の還元はチームにとって必要不可欠だ。

「まずは自分自身のやるべきことをしっかりやることが大事だと思っています。そこから自分への行動がチームにもいい影響を与えられて、チームが上向きになると思っている。(ときには)ちょっと一歩引いてチームを見ることはあるんですけど、まずは自分がしっかりしてそこからチームに還元できたらと思います」と言葉に力を込めた。

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決勝ラウンドは今月22日から26日まで中1日のハードスケジュールで開催される。トレーニングマッチではJ3チームを打ち破ることも珍しくない地方クラブの雄が、アマチュア最高峰のJFL昇格に向かって突き進む。

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